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パンパシフィック・カッパー予測、20年の銅精鉱需給バランスは10万トン不足。中国の鉱石需要が増加

11/29(金) 6:07配信

鉄鋼新聞

 銅製錬の国内最大手、パンパシフィック・カッパー(PPC)は、2020年の銅精鉱需給バランスが10万トン程度の供給不足になると予測している。18年が30万トンの余剰バランス、19年がほぼウェル・バランスと推移してきたが、20年は新規鉱山からの供給の増加が限定的である一方、中国での製錬能力増強に伴う鉱石需要の増加により、不足バランスに転じるとみた。

 19~20年の銅精鉱需給は、19年が供給量1690万トン(前年比0・6%減)、消費量1690万トン(同比1・2%増)、20年が供給量1750万トン(同比3・6%増)、消費量1760万トン(同比4・1%増)と予測。
 20年はパナマのコブレ・パナマ銅鉱山が立ち上がるが、それ以外に供給増に寄与する新規鉱山案件が乏しい。既存鉱山では鉱石品位の低下影響があるものの、鉱石処理能力の増強案件などもあるため、銅量ベースでは供給量が維持されると想定。チリで続いている反政府デモの影響は19年には大型鉱山などでも多少の影響を受けたが、今後は収束に向かい、来年の供給への影響はないとみている。一方で21年以降はペルーやチリでの新規案件や拡張案件により、供給量は増加していくとみている。
 中国の製錬所の能力増強で鉱石需給が引き締まる見通しにある中、米資源大手フリーポート・マクモラン社と中国の製錬会社が、20~21年積み銅精鉱の買鉱条件を前年比23%ダウンのTC(溶錬費)トン62ドル/RC(製錬費)ポンド6・2セントで決着したと報じられている。岩波俊二原料部部長は「想定していたよりは低い水準。LMEウィーク前半ぐらいまでは70ドル台は維持できるかと考えていたが、今年は鉱山側が強気と聞き、60ドル台後半と考えていた。中国自身が供給能力を増やしている中で鉱山側の強気姿勢に中国側の腰が少し引けたような印象だ」と話した。同社自身も鉱山会社との買鉱交渉を進めているが、一部鉱山会社とは同水準のTC同62ドル/RC6・2セントで決着しつつあるもよう。
 銅地金は5万トン弱の供給不足/中国需要減速などで需給均衡へ
 パンパシフィック・カッパー(PPC)は、2020年の銅地金需給バランスが5万トン弱の供給不足になると予測している。18年は20万トン強の供給不足で、19年は約10万トンの供給不足となる見込み。米中貿易摩擦の影響などで世界の銅需要が減速傾向にあることから不足幅が縮小し、均衡に向かうとみている。一方、供給側も原料となる銅精鉱の需給が引き締まる見通しにあることから微増にとどまる見通し。
 19~20年の銅地金需給は、19年が供給量2384万トン(前年比2・2%増)、消費量2393万トン(同比1・5%増)、20年が供給量2425万トン(同比1・7%増)、消費量2429万トン(同比1・5%増)と予測した。供給側では18年以降の中国の供給量が年平均で40~50万トン程度増加しており、19年と20年の2年間では約90万トン増加すると想定。小島直樹営業部銅担当部長は「中国のキャパ自体はもっと増えているが、実際にそれだけの鉱石を確保できるかという問題がある」と指摘し、環境規制やコスト、副産品市場の状況なども生産に影響を与える可能性があるとした。
 一方、需要側では、中国需要の成長ペースは鈍化しているが、1~2%程度の成長が続いており、中国内の需給バランスは「まだ2百数十万トンの不足バランス」とみている。来年の世界需給においては「やはり米中貿易摩擦の影響が最も気になるところだ」と話した。

最終更新:11/29(金) 6:07
鉄鋼新聞

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