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「本気で風しんを食い止めようとしているのか」 無料クーポン小出しに配る対策に要望書を提出

11/29(金) 18:13配信

BuzzFeed Japan

流行がなかなか収束しない風しん。国立感染症研究所の統計によると、2018年からの流行の累積患者数は11月17日までに5180人になった。【BuzzFeed Japan Medical/岩永直子】

流行の中心となっているのは、過去に公的な予防接種を受けていないままの40~57歳の男性だ。

厚生省は今年度から3年間、この年代の男性を対象に、免疫の有無を調べる抗体検査とワクチンを公費で受けられる無料クーポンを配る追加的対策を進めている。

だが、今年度、対象者の一部にしか無料クーポンを配らず、検査を受ける率は低迷しているにも関わらず、厚労省の感染症部会は11月28日、来年度も残りの対象者の一部にしか無料クーポンを配布しないことを決めた。

「風しんをなくそうの会『hand in hand』」と「VPD(ワクチンで防げる病気)を知って、子どもを守ろうの会」は29日、加藤勝信厚労相に対し、対象者全員に早急に無料クーポンを配ることなどを求める要望書を提出し、記者会見を開いた。

hand in hand共同代表で、先天性風しん症候群で娘の妙子さんを18歳で亡くした可児佳代さんは、「悔しいとしか言いようがない。国は本気で考えているのか」と話し、「子どもを守ろうの会」事務局長の中谷牧子さんは「この案が粛々と通ってしまったことに、悲しみと深い憤りを感じている」として改善を訴えた。

先天性風しん症候群の子どもが4人 それでも受検率は13.4%

風しんが怖いのは、大人がかかると重症化するだけでなく、妊婦が感染すると子どもの目や耳や心臓に障害が残る「先天性風しん症候群」をもたらすことだ。既に2018年からの流行で4人の障害を持った患者が生まれている。

流行を繰り返すのを食い止めるには、ワクチンで抗体(ウイルスに対する免疫)をつけた人を増やすことが必要となる。

集団で9割程度が抗体を十分持てば流行は食い止められるとされている。だが、1962年4月2日から1979年4月1日生まれ(2019年度で40歳から57歳)の男性は国の予防接種政策から漏れ、8割程度しか抗体を持っていない。

そこで厚労省は、今年度から3年間の時限政策として、公費で抗体検査を受けられ、抗体が不十分だった場合はワクチンも接種できる無料クーポンを順次、配布する追加的対策を始めている。

検査場や医療機関、事務手続きなどの受け入れ能力を考えるとして、初年度は対象者の一部の40~47歳(646万人)のみ無料クーポンを配り、少なくとも半数程度(330万人)は受けるだろうと見込んでいた。

ところが、この世代は働き盛りの世代でもあり、平日に会社を休んで検査を受けづらいなどの理由で検査を受ける率が低迷しており、今年度配布した646万人のうち検査を受けた人は9月まででわずか13.4%にとどまっている。

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最終更新:11/29(金) 19:02
BuzzFeed Japan

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