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僕も日本語勉強したい…… 国の責任、会社の責任 外国人の素朴な疑問に答えた結果

2019/11/30(土) 7:00配信

withnews

日本で暮らす外国人が増える中、今年6月に国会で日本語学習に関して国や自治体の責任を記した「日本語教育推進法」が成立しました。とても大切な法律なので、当事者の外国人に伝えたいと、記事を「やさしい日本語」にしましたが、「国や自治体、会社の責務」ってどう説明すればいい?(withnews編集部、松川希実)

【やさしい日本語で説明】だれの責任?どんな責任? 新法「日本語教育推進法」をかみ砕くと

介護施設で働く外国人の力を借りた

外国人にかかわる法律が作られたので、いつもとは違うふりがなを振った解説が朝日新聞にも載りました。

この記事を元に、やさしい日本語に書き直して、都内の介護施設で働くインドネシア人2人に読んでもらいました。来日9年目のプスピタさん(32)と、技能実習生として今年7月に日本に来たばかりのユダさん(27)です。

同じ介護職ですが、2人の日本語の学習環境はだいぶ差があります。

プスピタさんは2国間で結んだ経済連携協定(EPA)で来日し、国と施設の支援を受けて就労前に約1年間日本語を勉強し、就労後も先生をつけて日本語や介護の勉強をたくさんしました。来日後4年で介護福祉士の国家試験に合格しました。

新しくできた技能実習の資格で来たユダさんは、インドネシアの専門学校で日本語を6カ月勉強しただけ。これから日本語を勉強するには自分で仕事の合間に頑張るか、施設が支援するかにかかっています。

つきつめるほどあいまいな「責任」?

法律が成立したとき新聞に載った記事は「外国人が希望や能力に応じて『日本語を学ぶ機会が最大限に確保される』ことを求めており、国と自治体は役割分担をして日本語教育推進の施策を実施すること、事業主は雇用する外国人やその家族が日本語を学ぶ機会を提供し、支援することを責務として明示している」としていました。

これを分かりやすくした解説ではこう書きました。
外国人が日本語をなるべく学(まな)べるよう、国(くに)、都道府県(とどうふけん)と市町村(しちょうそん)、企業(きぎょう)などの責任(せきにん)をそれぞれ決(き)めました。


「責任?」
ユダさんが戸惑ったのは、日常会話であまり聞かれない熟語でした。

プスピタさんが「しなければならない、ということですよね?」とフォローしてくれます。

「でも、何をしなければいけないんですか?」「しないとどうなるんですか?」

答えに詰まりました。それは法律には詳しく書いていないんです。「基本理念」を決めただけの法律だから……。

文で書くとそれらしく見える言葉も、説明しよう、かみ砕こうとすると、肝心の「責任」の所在があいまいになっていきます。

政府や行政の発表はこういう言葉のオンパレードです。記者駆け出しのころ、行政言葉をそのまま書いてデスクに怒られました。「読者に分かりやすく言い換えるのが記者の仕事だろう」と。
外国人向けの説明には、「あいまい」な表現は通用しません。

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最終更新:2019/11/30(土) 7:00
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