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日中航空路線を圧倒する中国 日本からの訪問客数はなぜ増えないのか

11/30(土) 7:15配信

SankeiBiz

 日本から発着する国際線の中で、中国路線の存在感が一気に高まってきた。いまや日本の空港を離着陸する航空機のうち、4機に1機は日中間の路線という。しかし目立つのは、中国人客ばかりである。航空会社も中国が圧倒的に多い。この偏りをなんとか是正できないものだろうか。(拓殖大学名誉教授・藤村幸義)

 筆者は北京の常駐特派員として1979年に赴任したが、その頃は日本側が東京と大阪の2都市、中国側も北京と上海の2都市しか飛んでいなかったと記憶している。便数も限られていた。当時は中国から日本に来る客は極めて少なく、機中はほとんどが日本人客だった。

 その後も日本からの訪問客の方が多い時期が続いたが、2015年に逆転してしまう。「爆買い」と呼ばれる中国人の日本製品大量購入がブームとなったからだ。今年1~9月の中国人訪問客は740万人である。2位の韓国とは200万人以上の差がついている。

 今年の冬の日中間の定期便数は、夏に比べてさらに増え、何と週1406便である。隔世の感がする。ところがダイヤをよくみると、中国の航空会社による定期便が圧倒的に目立つ。中国からの訪問客が増えても、もうかるのは中国の航空会社ばかりということか。

 日本の航空会社は成田・羽田や関西の空港では、便数をそれなりに確保しているが、地方の空港には中国路線のないところが多い。新潟、富山、茨城、岡山などの空港は、中国の航空会社が乗り入れているだけである。一方、中国でも南京(江蘇省)、鄭州(河南省)、煙台(山東省)、福州(福建省)など多くの地方都市と日本を結んでいるのは、中国の航空会社である。

 それにしても、日本から中国への訪問客数は、なぜ増えないのだろうか。主な理由としてはこれまで、中国の劣悪な環境汚染とか、日中関係の悪さなどが指摘されていた。このうち環境汚染は、中国政府の取り組みによってかなり改善し、北京でも青空の見える日が確実に増えている。もう一つの日中関係も、ここにきて改善が進んでおり、来春には習近平国家主席の日本訪問も予定されている。

 ところが日本の世論調査では、相変わらず「中国に親しみを感じない」との答えが圧倒的に多い。香港での民主化要求デモに対する中国側の厳しい姿勢、このところ相次いでいる日本人の中国での逮捕・拘束などをみていると、中国訪問に二の足を踏んでしまうのであろうか。

最終更新:11/30(土) 7:15
SankeiBiz

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