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年金預かるGPIFで内紛?保有資産比率の公表取りやめなど、運用は大丈夫か

11/30(土) 15:20配信

THE PAGE

 私たちの貴重な年金資産を預かるGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)で内紛が発生しているようです。今のところ年金運用は米国の株高に支えられ好調ですが、一方で空前の低金利で債券価格も上昇しており、ひとたび相場が下落に転じると総崩れになるリスクを抱えています。内紛に明け暮れている場合ではありませんが、GPIFの運用は大丈夫なのでしょうか。

 GPIFは 10月18日、同法人の高橋則広理事長に対して減給(6カ月)の処分を行うと発表しました。それによると高橋氏は、「特定の女性職員と多数回にわたり会食を行うなど特別な関係にあることを疑われかねない行為があった」、「(高橋氏の)公用車に女性職員を複数回にわたり同乗」させていたとのことです。高橋氏はその職員と特別の関係はないと説明しており、個人的に会ったり、公用車に同乗させたのは、その女性職員が組織内でセクハラを受けており、場所を変えてその相談を受けるためであったと説明しています。GPIFとしても「疑われかねない行為があった」ことを処分理由としており、それ以上には踏み込んでいない状況です。

 しかしながら高橋氏の一連の行為については怪文書が出回っており、内部の主導権争いが原因であるとの報道もありますから、単純な不適切行為という話ではない可能性もあるでしょう。実際、今後の運用方針をめぐってGPIF内部でかなりの激論となっているのはほぼ間違いありません。

 これまで年金運用は、安全第一ということで国債への投資を原則としてきましたが、安倍政権からの強い要請を受け、GPIFは国内外の株式に積極投資するリスク運用に舵を切りました。米国の好景気とトランプ政権の強引な株高政策の効果もあり、GPIFは今のところ高い収益を上げていますが、今後のリスクが高まっているとの指摘も相次いでいます。

 GPIFにおける実務責任者である水野弘道CIO(最高投資責任者)は今年8月、今の市場環境では、株価が下落した場合のヘッジ手段が限られていると発言し、世界の運用担当者を驚かせました。水野氏は本来9月末でCIOを退任するはずでしたが、人事が急遽変更となり、水野氏は引き続きCIOとして実務を取りまとめる予定です。11月1日には、保有する資産比率の公表を一時的に取りやめるという驚くべき発表もありました。

 キーマンの人事が二転三転したあげくに、トップのスキャンダルが浮上し、さらには情報開示を一時停止するなど、組織がガタガタになっているのは間違いなさそうです。人が運営する組織である以上、ある程度はやむを得ませんが、GPIFは多くの国民にとって最後の砦となる年金資産を預かる組織です。一刻も早い正常化が必要でしょう。


(The Capital Tribune Japan)

最終更新:11/30(土) 15:20
THE PAGE

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