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AIカメラが掘り出す「宝の山」 映像化されていない「スポーツ中継」 異次元のコストダウンが開く可能性

2019/12/5(木) 7:00配信

withnews

近い未来、スポーツ中継に革命を起こすかもしれない新技術が国内に上陸した。カメラマンがいなくてもバスケットボールやサッカーなどの競技を自動で追いかけて撮影できる人工知能を使った「AIカメラ」だ。世界のスポーツで、テレビやネットで中継されているのは約1割の「金になるプロスポーツ」のみ。しかしアマチュアスポーツなど残りの9割が映像化され、あなたの手元に届けられる日もそう遠くないかもしれない。AIカメラが人とスポーツの距離感を変えていく、その最先端の取り組みに迫った。(朝日新聞記者・戸田和敬)

【動画】これがAIカメラの実力、自動でボールの動きを追尾 突然のプレーにも見事に反応!

謎のガジェットを発見

8月中旬、静岡市清水区のスタジアムで、炎天のもと開かれた「全日本少年少女草サッカー大会」の決勝戦。

記者席の中ほどに立てられた三脚の上に、2リットルのペットボトルほどの白いガジェットが試合をじっと見つめていた。縦長の本体には、四つのレンズが並ぶ。

「あれは一体何だ?」

本来はテレビ局の撮影クルーがひしめくエリア。白い物体にはカメラマンもおらず、炎天下で涼しげに突っ立っている。

その正体はAIカメラ。そばには、パソコンを開いたスタッフが1人いて、モニターにはカメラが自動で送り続けるテレビさながらの試合の中継映像が流れている。

AIカメラの映像はネットでも生配信されていた。スタッフはモニターよりも試合に目を向け、観戦を楽しんでいる。スポーツ中継の現場で、一体何が起こっているのか。

空間の動きを自動で追いかける

この新技術は、アメリカのラスベガスで昨年1月にあった電子機器見本市「CES2018」に出展された、イスラエルのベンチャー企業「ピクセロット」が開発したAIカメラだ。空間の動きを自動で追いかけることができるという。

カメラの仕組みはこうだ。

試合前に、AIにコートの幅や選手データなど、競技の内容を学習させる。三脚に固定されたカメラは、選手やボールが動く位置を自動で追いかけて撮影する。本体に取り付けられた四つのカメラそれぞれが、違う角度、高さから撮影しており、その映像を自動でつなぎ合わせて配信する。

このAIカメラ、すでにアメリカでは、高校生のバスケットボールの試合など、アマチュアスポーツをコンテンツ化する取り組みとして導入されている。月契約で映像を有料配信しており、既にビジネス化されているのだという。

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最終更新:2019/12/5(木) 7:00
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