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関電の調査「年内報告」間に合う? 第三者委は徹底調査…社長人事にも影響

12/1(日) 19:39配信

産経新聞

 役員らによる金品受領問題に揺れる関西電力が、第三者委員会の調査終了時期に神経をとがらせている。監督官庁の経済産業省は年内報告を強く求めるが、第三者委は事実解明を優先し越年も辞さない構えだ。調査の進(しん)捗(ちょく)は関電側に明らかにされず、報告が出れば辞任する岩根茂樹社長の後任人事も難航。問題発覚から2カ月、気をもむ年の瀬を迎えている。(岡本祐大)

■早期終了には批判も

 10月9日に発足した第三者委は、元検事総長の但木敬一委員長ら委員・顧問計4人のもと、15~20人程度の弁護士らが調査にあたっている。約2万人の全社員を対象に1万円以上の金品をもらった経験や、見聞きしたことがあれば申告するよう要請。関係者にヒアリングしたり、OB向けの情報提供窓口を開設したりした。削除されたメールの復元なども行っているとみられる。

 関電は第三者委設置時、報告のめどを年内としたが、但木委員長は「中途半端に調査を打ち切ることはない。期限は約束できない」と強調。徹底解明を目指す方針だ。

 同様に職員の金品問題が発覚した福井県では、第三者委が1カ月程度で調査を打ち切り、「(金品を提供した)福井県高浜町の元助役に便宜を図った事案は確認されなかった」と結論づけた。しかし調査が不十分と批判が高まっている。

■「年内」こだわる経産相

 一方、電気事業法に基づく報告徴収を求める経産省は、早期提出にこだわりをみせる。梶山弘志経産相は開会中の臨時国会で「『年内に』ということを守ってもらうよう期待している」と答弁。関電側に「(調査の)態勢強化などの措置を講じること」を申し入れ、報告が不十分なら再び徴収命令を出すと明言した。

 「年内とは悠長なこと」と早期解明を求めた前経産相の菅原一秀氏が自身の疑惑で大臣を退き、野党が「桜を見る会」への攻勢を強めたことで、関電内には「追及の手が和らぐ」と一時、安(あん)堵(ど)の声も漏れた。ただ、経産省は「年内報告を求めるスタンスは変わっていない」(同省関係者)と厳しい姿勢だ。

■新疑惑の懸念も

 焦りを募らせる関電だが、自らできることは多くない。11月26日、体調不良の岩根氏に代わって記者会見した森本孝副社長は「調査が円滑に進むよう(社内)窓口を整備した」と述べるにとどまった。関電関係者が「われわれにコントロールできない」と話すように、調査状況すら分かっていないのが実情だ。

 第三者委は年内に記者会見を開くとしているが、最終報告か中間報告かは明らかにしていない。

 関電では来年、高浜原発1号機など2基の再稼働や、使用済み核燃料の中間貯蔵施設の候補地選定といった重要課題が控える。ただ「報告書で新しい疑惑が出れば取り返しがつかない」との懸念があり、新社長人事も報告書が出る前には固めにくい。

 報告が越年するとの見方が強まる中、関電関係者は「まな板の鯉だ」とこぼすばかりだ。

最終更新:12/1(日) 20:14
産経新聞

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