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妻の収入は世帯年収の40%が「最も幸せ」、稼ぎ過ぎは夫のストレスに 英研究

2019/12/1(日) 12:08配信

The Telegraph

【記者:Charles Hymas】
 女性パートナーの収入が世帯年収の40%を超えると男性のストレスが大きくなるとの論文が、「Personality and Social Psychology Bulletin(人格と社会心理学紀要)」に発表された。

 調査では、15年以上にわたり結婚、あるいは同棲している異性カップル6000組を分析した。それによると、男性が唯一の稼ぎ手である場合も比較的ストレスが高いが、女性が家計の主な担い手になっているケースほどではない。

 例外は、女性が高収入であると理解した上でパートナーとなった男性たちだ。論文の著者、英バース大学のジョアンナ・シルダ博士は「女性の方が結婚前から高収入だった場合、潜在的な賃金格差は男性にとっても明快だ。むしろ、パートナーに選んだ理由にすらなる」と述べる。

 調査によると、男性の心理的な苦痛は、男性が単独で家計を支えている場合から女性の収入が増えるにつれて徐々に下がり、女性の収入が世帯年収の40%を占める「最も幸せ」な地点では20ポイント近く下がった。

 しかし、「最も幸せ」な地点を過ぎると急上昇、女性が男性の収入を超え、さらには女性が唯一の稼ぎ手となると、40ポイント近く上昇した。

 統計によると、女性の収入が男性の収入を上回っていた割合は、1980年には全世帯の8分の1(13%)だったが、2000年には4分の1、2017年には3分の1近く(31%)に達している。

 なぜ男性たちはストレスを感じるのか。シルダ博士は「稼ぎ手は男性」という社会的慣習の圧力が原因の一つだと指摘する。「何世代にもわたって、多くの文化で男性が家族の主な稼ぎ手であるべきという期待があった。男らしさは、その期待を全うすることに密接につながっていた」

 また「関係が不均衡になる」リスクもあるという。シルダ博士は「例えば関係が非常に悪くなり離婚や破局の可能性が生じると、経済的な観点からは、収入が低い側がより無力さを感じる」「この傾向は同棲しているカップルの場合、さらに強い。破局の可能性がより高いからだろう」と説明した。

 しかし、破局が選択肢になくても、収入がどちらかのパートナーに偏っていると、家庭内のパワーバランスにも影響してくるという。

「家族にとって何が最善か、いくら貯金をするか、何にお金をかけるか、その他さまざまな計画や大きな選択をする際、パートナー間の考え方が違うとパワーバランスが重要になる」

 シルダ博士は今後、家庭環境による影響についての研究を計画している。この研究により、母親が父親より高収入の家庭で育った男性は、女性の側が高収入になった場合でもストレスが少ないといった結果が得られるかもしれない。

 女性が男性よりも高収入であることで関係がぎくしゃくし、女性が仕事を続けることや昇進を目指すことをあきらめる可能性があるとの証拠も示されている。こういった状況は、男女間の賃金格差にも連鎖反応をもたらす。【翻訳編集】AFPBB News

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最終更新:2019/12/1(日) 12:08
The Telegraph

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