ここから本文です

キックボクシング・江幡睦、“歴史を創る”壮絶な死闘。タイ国外に不出…ムエタイのベルトへの挑戦

2019/12/1(日) 15:00配信

テレ朝POST

キックボクサー・江幡睦が挑んだ“歴史を創る戦い”

現在、日本のキックボクシング界に、鮮やかに才能を喚起させる双子の兄弟がいる。兄・睦(むつき)と、弟・塁(るい)の江幡兄弟だ。

今年2019年10月、その兄・江幡睦が、格闘家人生を懸けた一戦に臨んだ。

「立ち技格闘技最強」と言われるタイの国技・ムエタイ。その王座への挑戦。それは、日本キックボクシング界が目指し続けてきた“最高峰”。いわば“神の領域”へと踏み入るに等しい歴史的決戦である。

江幡睦は、新たな歴史を創ることができるのか。その挑戦の一部始終を追った。

日本キックボクシング界の悲願

今年3月、東京・代官山の伊原道場。ムエタイの本場・タイから招いたトレーナーと共に激しい練習を行う江幡睦の姿があった。

日本のキックボクサーである江幡が、異国のトレーナーに教えを乞う理由。その説明から物語を始めよう。

500年の歴史を持つ、タイの国技「ムエタイ」。

その最高峰の舞台であるラジャダムナンスタジアムの王座は、世界中のツワモノが憧れる“頂点”と言われる。パンチとキックに加え、ヒザ蹴りやヒジ打ちも有効。過酷な戦いを生き残った者だけが王者の称号を得る。

そのベルトがタイ国外へ渡ることは、極めて稀。否、挑戦する機会さえ滅多には巡り来ない。

キックボクシングは、この「ムエタイ」に対抗する形で1966年に日本で誕生したスポーツである。

1970年代には“キックの鬼”沢村忠らの名選手を生み出し、隆盛を極めた。その後、人気の低迷があったものの、近年のキックボクシング界には“新世代”と称される才能が台頭し再び熱い視線を浴びている。

キックボクシングの範疇を越え、総合格闘技でも活躍している那須川天心(なすかわ・てんしん)、新生K-1のエースとしてカリスマ的人気を誇る武尊(たける)などが注目されているなか、江幡兄弟も目の肥えたファンからその実力を高く評価されてきた存在である。

なかでも江幡睦は、50年余りにわたるキックボクシングの伝統を背負い、他団体への参戦もほとんど行わない。

「ムエタイ」のベルトを奪うことで、伝説を創る。――そんな想いを貫いてきた。

そのなかで、2013年には2度の王座挑戦の機会があったものの、いずれも判定負け。さらに2015年の3度目の挑戦も…当時の王者をあと一歩まで追い詰めながら、惜敗に終わっている。

「またイチからですけど、まだ何もない状態ですけど、この大きな夢のムエタイのベルト、もう1回諦めないで狙っていこうと…」――当時、睦はそう誓い、再挑戦の機会をずっと待ち望んできた。

今年で28歳。衰えを感じたことはまだないというが、現在のコンディションをいつまで保てるかは分からない。練習パートナーをタイから招いたのも、再挑戦への意欲の表れ。ムエタイ流のテクニックを、日々学ぶことに努めていた。

1/4ページ

最終更新:2019/12/1(日) 15:00
テレ朝POST

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事