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「いびき」を侮ってはいけない ~放っておくと怖いことにも~【コメントライナー】

12/1(日) 16:12配信

時事通信

 健康科学アドバイザー、医師・福田 千晶

 同室者には迷惑至極な高いびき。ご当人には、全然その意識がないから、気楽なものですが、実は本人にも危険がいっぱいなのです。

 ◆いびきは呼吸障害

 いびきは、寝ている時に十分な空気の出入りができない睡眠呼吸障害です。気道が狭くなって、呼吸による空気の出入りの際に、大きな音が発生するのです。

 狭い気道のため、十分な空気を吐き出せず、吸い込めないので、体内で血液中の二酸化炭素が蓄積し、酸素が不足。つまり、身体は運動している時のような状態になっています。

 心臓は足りない酸素を必要量、しっかり送るために強く収縮して、その結果、血圧が上昇します。

 いびきをかいている人は、睡眠中に酸素不足になりやすく、それは人体にとって大きな危機ですから、ストレスです。

 ◆生活習慣病の原因に

 睡眠不足やストレスも、高血圧、糖尿病、脂質異常症など生活習慣病の原因になります。

 また、それらの生活習慣病が誘因となり、脳梗塞、脳出血、心筋梗塞などの心臓や血管系の病気になりやすいと知ると、怖いことです。

 睡眠中にも脳に酸素が十分に行き渡らないと、早くに認知症になるリスクも考えられます。

 いびきの原因は、生まれつきの首の太さや顎の形状なども関係しています。後天的には、首のぜい肉が付き、気道を圧迫することが大きな要素です。

 ◆肥満は要注意

 肥満により、いびきをかきやすくなり、さらに肥満は生活習慣病も引き起こしやすいのです。

 いびきで睡眠の質が低下すると、昼間、眠くなったり、疲れたりするため、活動が低下し、太りやすくなります。

 これらの関係を断つためにも、まずはいびきの解消と肥満の解消を心掛けましょう。

 いびきや、睡眠中に呼吸が止まる「睡眠時無呼吸症候群」は、耳鼻咽喉科や睡眠外来で相談することも良い方法です。

 ◆いびき解消法とは

 気道を圧迫しにくい横向きで寝たり、口呼吸にならないように睡眠中に口をとめるテープなど、市販のグッズを試すことも一案です。

 肥満解消の方法と生活習慣病の対策は、ほぼ同じ傾向です。食べ過ぎと飲酒を控え、脂っこいものや甘いものは減らし、バランスの良い少食を心がけましょう。

 ウオーキングやジョギング等の適度な運動を日課にして、生活上でもこまめに歩いてください。

 生活改善で、いびきと肥満と生活習慣病が解決すれば、いびきで異性に嫌われることなく、いつまでもモテる若々しい人生、元気な100歳も夢ではなくなるかも知れません。

 (時事通信社「コメントライナー」より)

 福田 千晶(ふくだ・ちあき)

 1988年慶応大学医学部卒業。東京慈恵医科大学医師などを経て、日本医師会認定産業医。95年日本東洋医学会専門医、医学博士の学位取得。専門はリハビリテーション医学、スポーツ医学、東洋医学。健康に関わる疑問や普段の予防療法などに明快に答え、テレビ出演やメディア寄稿で活躍。著書に「40代からはじめるもっと太らない体づくり」など。

最終更新:12/1(日) 16:12
時事通信

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