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東海大会準Vの名将・鍛治舎巧監督が掲げる育成論 具体的な数字の達成で成功体験を積み重ねる

2019/12/1(日) 21:35配信

高校野球ドットコム

 2017年まで務めた熊本県の秀岳館での監督時代に、3大会連続して甲子園のベスト4にチームを導いた鍛治舎巧監督。その後、2018年の春から母校でもある県立岐阜商の監督に就任し、来春の選抜への出場が濃厚と見られている。

【写真】グラウンドに厳しい目線を送る鍛治舎巧監督

 そんな県立岐阜商で指揮を執る鍛治舎監督が持つ育成論をここで紹介していきたい。

目標を立てて成功体験を重ねる

―― 鍛治舎監督が、高校野球を始める新入生に向けて、最初に伝えておきたいことはどのようなことでしょうか。

鍛冶舎巧(以下、鍛冶舎) 高校に入ってきたすぐというのは、自分に対しての期待もあるでしょうけれども、不安も大きいと思います。だけど、高校野球は始まってしまったら、実質2年と数カ月です。高校野球をやれる時間というのは、思っているよりはるかに短いものです。その間に、成功体験を積み重ねていくこと、それが自分にとっての成長にもなっていくのです。成功体験というのは、目標達成です。その目標も、自分が思い切り手を伸ばせば届くところにあるものでなくてはいけません。そして、その目標を一つ達成出来たら、また次の目標を設定して、そこへ向かって手を伸ばしていく。そうやって成功体験を重ねていくということです

―― そのために、少年野球の枚方ボーイズで指導されていた頃や、秀岳館で指導されていた時、どのようなことがあったのでしょうか。

鍛冶舎 目標設定をして、それを一つずつクリアして、また次の目標に向って行くという姿勢は、これは中学生の枚方ボーイズでも、高校野球でも、社会人野球のパナソニック時代でも変わっていません。成功体験というのは、自信になりますから。一つひとつの成功で自信を得ていくことです。具体的には数字設定をして、数字で見てわかるようにしておくということです。

 これは例えば投手ですと、球速がありますね。それも、ただ130キロを5キロ上げるというのもいいのでしょうが、それだけではないんです。投手としてはむしろ緩急の差を40キロ作れるようにするということの方が意味があります。最速は130キロのままだとしても、緩い球を90キロでしっかりとストライクを取れるようにすると、そうなると相手打者はタイミングを外されて打ちにくくなります。そういう目標設定でもいいんです。最速と最遅の球速差があるということは、投手としては大事なポイントにもなります。だから、その幅を広げていくということも一つの大きな目標です。そして、それはそのまま投手としての武器にもなります。

 打者であれば、スイングスピードを上げるということがありますね。今は、スイングスピードを計れる機械もありますけれども、そういうものを利用するのもいいでしょう。スイングスピードを上げるということは、強い打球が打てるようになり、ヒットの確率が上がるということになります。具体的には、遠くへ飛ばす力ということです。日々の練習ではロングティーで積み上げていくことでわかりやすくなります。

 これは、枚方ボーイズ時代にもやっていたことなのですけれども、ロングティーの飛距離をポイント制で決めていくんです。中学生ですから70mで1ポイント、80mで3ポイント、90mで5ポイントということにしておきます。そして、100球打って、100ポイントを目標とします。5ポイントだったら、10本打てば達成出来てしまいますが、これもわかりやすい数字目標となります。秀岳館では高校生ですから、10m距離を増やしました。80mで1ポイント、90mで3ポイント、100mで5ポイントとして設定しておきました。こうして、目標設定を具体化していきます

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最終更新:2019/12/1(日) 21:35
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