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このままでは負け組、新体制日産が抱える二つの歪み

2019/12/2(月) 7:12配信

47NEWS

 ルノーは3年前、フランスの工場で日産車の生産をスタートさせた。日産がインドに設立を計画していた工場が白紙になり、ルノーの工場の稼働率を上げるために、生産をフランスに移転させたとの指摘が出ている。経済合理性に反する生産が進められているなら、日産の少数株主の利益を損ねている。そもそもルノーという大株主から送り込まれたゴーン被告は、大株主のエージェントで、日産の少数株主の利益のために貢献するエージェントにはなりえない構造だったともいえよう。少数株主の利益を優先するというコーポレートガバナンス(企業統治)の原則が、守られない状況に陥ったのだ。

 しかも、ゴーン被告自身が、2005年にルノーの最高経営責任者(CEO)となったことで、この問題はさらに歪みを深める。ゴーン被告は日産の大株主であるルノーの経営権を手中に収めた。つまり、ゴーン被告は、エージェントであると同時に大株主を牛耳る事実上のプリンシパルにもなった。つまり、ゴーン被告は自分で自分を監督する権限を得たのだ。これでは、企業統治が機能するはずもない。日産の所有と経営の分離は崩れ、ゴーン被告が、自由自在に振舞える体制に変質した。絶対的な権力は腐敗するという原則通りに、ゴーン被告は暴走、転落の道を歩んだと言えよう。

 ▽仏政府の出資、経営のネックに

 日産は、こうした経営の暴走を再び起こさない仕組みを導入した。今年6月末に指名委員会等設置会社に移行した。ゴーン被告が務めていた会長職を廃止、取締役会議長職を新設、経営の執行と監督を分離した。さらに、取締役の過半数を社外取締役にして、経営陣を監視する仕組みを強化した。指名委員会等設置会社に移行したことで、取締役候補者を決める指名委員会、報酬を決める報酬委員会、役員の職務執行の監査をする監査委員会を新設。社外取締役が3委員会の委員長を務める体制となった。

 体制としては、内田新社長ら新経営陣が、プリンシパル=エージェント問題を引き起こさない仕組みが整えられたと言えよう。  しかし、親子上場問題が解消していない以上、大株主のルノーと少数株主の利益相反は、構造的に内在し、解消されないままだ。内田新社長は、相反するプリンシパルの利害に向き合いながら、経営のかじ取りをしなければならない。

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最終更新:2019/12/2(月) 9:13
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