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「できないことをできると言わない」風土づくりへ 日産、内田新社長が会見

12/2(月) 19:45配信

ITmedia ビジネスオンライン

 12月1日付で日産自動車の社長兼最高経営責任者(CEO)に就任した内田誠氏(53)が2日、就任会見で抱負を語った。元会長カルロス・ゴーン被告の逮捕から1年。この1年間で業績は悪化の一途をたどり、西川廣人前社長兼CEOも自らの報酬を巡る問題で辞任に追い込まれた。新経営陣はどのように混乱を収拾し、業績回復に向けて取り組んでいくのか。

【COOに就任したアシュワニ・グプタ氏】

チャレンジできる目標にワンチームで

 「長い年月で目標設定の仕方に問題が出てきた。できないことをできると言わせてしまう文化をつくってしまった」

 内田氏は、近年の完成検査問題や業績の悪化などを招いた企業文化についてそう振り返った。ゴーン元会長が進めてきた事業戦略は「間違っていない」としながらも、「(社員間の)横の連携や問題解決の意欲を失い、短期的な目標達成を追うようになった。インセンティブ(販売奨励金)に頼った販売に陥ったことがその典型的な事例」と反省を述べた。

 今後は従業員や取引先などとのコミュニケーションを図り、「チャレンジできる目標設定」に取り組むことで風土改革を目指す。「社員などの意見を反映させて、ワンチームで一丸となって取り組む。異論や反論が許される風土をつくっていきたい」と意気込みを語った。

 内田氏は日商岩井の出身。2003年に日産に入社し、16年に常務執行役員に就任した。18年に専務執行役員に就任した後は中国事業を統括。現地法人の総裁を務めていた。

 新体制では、最高執行責任者(COO)にルノー出身で三菱自動車のCOOを務めていたアシュワニ・グプタ氏(49)が就任。副COOには、生え抜きで生産技術や中国事業などを担ってきた関潤氏(58)が就いた。この3人を経営陣の柱として、意思決定のスピードを速めながら信頼回復と業績立て直しを目指す。

アライアンスを強化、経営統合の話は「一切していない」

 日産の足元の業績は厳しい。2019年4~9月期の連結業績は、売上高が前年同期比9.6%減の5兆30億円、営業利益が85.0%減の316億円に落ち込んだ。20年3月期通期の営業利益は、前期比52.9%減の1500億円の見通しとなっており、収益の立て直しが急務となっている。

 そのために必要なこととして、内田氏は「米国事業の立て直し」「投資効率の適正化」「新商品投入による着実な成長」の3つを挙げた。

 インセンティブに頼った販売によって苦戦している米国事業は、少しずつ“販売の質”が向上しつつある。今期の米国の平均売価は前年を上回る水準で推移しており、販売会社の9月末の在庫は3カ月前と比べて9%減少した。内田氏は「チャレンジできる目標を持つというのは全世界において同じ考え方。まだ時間はかかると思うが、米国で浸透させていきたい」と話す。

 そして、ルノー、三菱自動車とのアライアンスが立て直しに不可欠だと言及。「独立性を保持しながら進める」という。経営統合の可能性も取り沙汰されているが、「(経営統合の)話は現時点で一切していない」と繰り返した。「足元の収益はお互い苦戦している。まずはお互いの売り上げや利益にどう貢献できるか、という取り組みに集中していくことが必要」と強調した。

 「尊重、透明性、信頼」。内田氏はこの3つの言葉を大事にしているという。新しい経営陣のもと、まずは収益の立て直しに集中できる環境づくりが求められる。

ITmedia ビジネスオンライン

最終更新:12/2(月) 20:02
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