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在韓米軍は撤退含み、それでも米国はGSOMIA継続に強硬

2019/12/2(月) 17:10配信

ニュースソクラ

【軍事の展望台】自衛隊に在韓米軍の肩代わり求める?

 11月22日午後6時、韓国は8月22日に破棄を通告していた日本との「GSOMIA」(軍事情報包括保護協定)に関し「破棄通告の効力を停止する」と発表した。破棄が発効する6時間前、土壇場になって突如転身したのだ。

 突然の変心は2012年6月29日にも起きた。日本の野田政権と韓国の李明博政権はGSOMIA締結で合意し、この日午後4時に日本の外務省で玄葉光一郎外相と駐日韓国大使が署名式を行うはずだった。

 だがその約1時間前になって韓国側は「署名延期」を通知、「ドタキャン」になった。韓国では当時野党だった朴槿恵氏が「密室協議」と批判、反対運動が高まったためだった。GSOMIAが結ばれたのはその4年後の2016年11月23日、安倍首相と朴槿恵大統領の時期だった。

 同盟への第一歩である日韓GSOMIA締結は北朝鮮への圧力強化の一環として、米国が勧めたもので、韓国では日本との軍事協力に反対する国民感情が強いから、韓国政府は板挟みとなり、最後まで右往左往することになりがちだ。

 今回の「破棄停止」も今年7月に就任したマーク・エスパー国防長官(陸軍士官学校、中佐で退役、産業界、政界入り)が11月14日に訪韓して文在寅大統領と会談、統合参謀本部議長マーク・ミリー陸軍大将もそれに加わり、破棄の見直しを強く求めるなど、圧力をかけた結果だ。

 また、駐韓米国大使は昨年5月まで米太平洋軍司令官をつとめたハリー・ハリス海軍大将で太平洋・インド洋地域の米、陸、海、空軍、海兵隊すべて、30万人以上を指揮していた。父は海軍軍人、母は日本人で、横須賀生れ、佐世保で育ったから、特に海上自衛隊とは親密で、韓国がGSOMIA破棄を宣言したことを批判した。

 米国務省も「深い失望」「強い懸念」を表明したため韓国外務部は8月28日ハリス大使を呼びつけ、趙世瑛(チョ・セヨン)第一次官が「米国がGSOMIA破棄や独島(竹島)防衛訓練を公然と非難するのは韓米関係、同盟強化のためにならない」と抗議しその事実をメディアに公表するという異例の措置を取った。

 これは強硬派のマイク・ポンぺオ米国務長官(陸軍士官学校を首席で卒業し、大尉で退役、弁護士から政界入り)や同じく強硬派のエスパー国防長官、そして大使ハリス大将自身の機嫌を大いに損なう行為だったろう。ハリス大使は在韓米軍経費の韓国分担を現在の5倍に引き上げる要求を何度も口にすることになったと言う。

 これは元々今年7月に日本、韓国を訪ねたジョン・ボルトン米大統領補佐官(安全保障担当)が言ったことだ。日本では河野太郎外相、岩屋毅防衛相(いずれも当時)と会談し、現在の特別協定による「思いやり予算」約20憶ドルを80憶ドル(約8700憶円)に引き上げるよう求めた、と米誌「フォーリン・ポリシー」が11月15日に報じた。

 ボルトン氏は超強硬派でトランプ大統領もあきれ果て、9月10日解任した人物だから「米政府が公式にそのような非現実的な要求はしないだろう」と思っていたが、ボルトン氏解任後にも公式の協議で同じ要求を持ち出した。

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最終更新:2019/12/2(月) 17:10
ニュースソクラ

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