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日産の新体制が始動、3社連合“立て直し”は同床異夢!?

2019/12/2(月) 11:20配信

ニュースイッチ

シナジー名ばかり、ゴーン時代の歪み解消なるか

 日産自動車、仏ルノー、三菱自動車の3社連合トップに君臨したカルロス・ゴーン被告が退場してから1年がたち、連合は転機を迎えた。資本関係という枠組み論にも増して、共同事業の行方が焦点だ。「シナジー」というかけ声ばかりが先行し非効率が目立つようになった反省に立ち、各事業に関し実利を得られるかどうかを見極める動きが出てきた。共同事業の健全化は、1日に発足した新経営体制の最重要課題の一つになる。

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 日産の「ナバラ」、三菱自動車の「トライトン」。両社を代表するピックアップトラックをめぐる共同事業ではギリギリの調整が続いている。プラットフォーム(車台)を共同開発し、2020年代前半に投入する次期モデルから一本化する計画を進めてきた。

 日産にとってナバラは世界戦略車である一方、三菱自のトライトンは東南アジアが中心。日産幹部は「両社にとって利点がある」と強調するが、三菱自幹部は「例えば日産は寒冷地での販売も考えて仕様を決める。それにトライトンを合わせるとオーバースペックになる」と難点を指摘する。

 開発負担軽減や部品共通化による調達コスト削減につながるプラットフォーム共通化は、自動車メーカーの勝利の方程式。3社連合の共同事業でも“一丁目一番地”であるこのプロジェクトが難航するのは大問題に違いない。

 しかし「ゴーン体制下では口を挟むことさえできなかった。是々非々で判断できるようになったのは、むしろ健全化の方向だ」と三菱自幹部は語る。ほかにも研究・開発領域の機能統合では、三菱自の参加が停滞する。共同事業の見直しの動きは連合全体に広がる。

 日産とルノーは99年に資本提携して以来、共同事業を進めてきた。共同購買会社「RNPO」を設立したのは01年、共通プラットフォーム(B)を採用した初のモデルとして日産が「マーチ」を日本で発売したのは02年。歴史は長く、共同開発の対象はプラットフォームだけではなく、エンジンやトランスミッションまで広がる。

 三菱自は16年10月に連合入りし、すぐさま部品の共同購買事業に着手した。日産とはそれ以前から軽自動車開発で協業しており、今年3月には2代目となる共同開発モデル「eK」(日産名デイズ)を発売。日産とルノーの関係に比べ歴史は浅いが、三菱自も急ピッチで幅広い領域で共同事業を推進した。

 3社連合の共同事業は領域によっては成熟化しており、日産幹部は「やり過ぎると各社の車の個性がなくなる。限界はある」と話し、三菱自幹部は「残るのは(協業が難しい)“岩盤”だけだ」と打ち明ける。

 ここ数年のゴーン体制下では、実利は二の次でシナジーを求めるあしき習慣できていた。3社連合は毎年、年間シナジーを公表するのが慣例だった。ゴーン被告はこの数値を重視しており、15年度は43億ユーロ(約5183億円)、16年度は50億ユーロ、17年度は57億ユーロと伸びた。

 ただシナジーの構成要素には、共同事業により回避できたコストといった仮定条件に基づく項目もあるなど「えんぴつをなめて数値をつくれる側面がある」(3社連合関係者)。「ゴーン氏に評価されたい一部幹部が、形式だけ整えた共同事業を進めるケースが出てきていた」(同)という。

 共同事業は成熟化してきたのが実態なのに、それを無視して強引にシナジーを求めれば、歪みが出るのは当然の帰結。4月、日産の臨時株主総会で西川広人社長兼最高経営責任者(CEO、当時)は「双方が合意できないのであれば、やらないということが一つの手」と指摘し、3社連合の機能統合についても「統合ありきで非常に非効率なことが現場で起きている」と危機感を示した。

 ナバラとトライトンをめぐる共同事業で健全な議論が起きてきたように、ゴーン被告というくびきが外れ、共同事業を刷新する体制は整った。では、具体的にどう舵を取るべきか。一つの選択肢として挙げられるのは、先端領域に比重を大きくシフトする方向だ。

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最終更新:2019/12/2(月) 11:20
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