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日産の新体制が始動、3社連合“立て直し”は同床異夢!?

2019/12/2(月) 11:20配信

ニュースイッチ

CASE対応カギ

 自動車産業は「CASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)」と呼ぶ技術の新潮流が巻き起こす大変革期にある。研究開発費負担は膨大で1社単独で立ち向かうのは難しい。すでに日産・ルノー・三菱自の3社連合は対応を進めており、車載情報機器の基本ソフト(OS)に米グーグルの「アンドロイド」を採用することなどを決めた。

 今後もCASE分野では車載電池、センサーなどの機器類、自動運転に関するプログラムなどハードとソフトの両面で新規開発案件がめじろ押しで、3社が“ゼロ”から協力できるケースは多い。日産幹部は「将来、連合内で(車載電池などの)種類が増えすぎる結果になりかねない。新分野で協業を深めるのがベストだ」と話す。

 提携戦略を活用し、CASE時代で生き残りを図るのは、他の自動車メーカーも同じ。トヨタ自動車はマツダ、デンソーなどと電気自動車(EV)の基盤技術開発会社「EV C・A・スピリット」を設立した。またMaaS(乗り物のサービス化)分野ではソフトバンクと設立したモネ・テクノロジーズ(東京都港区)が主軸で、ホンダなども参画する。

 かつてルノー・日産の専売特許のように使われた「アライアンス(企業連合)」のフレーズは、自動車業界で一般化した。企業連合の競争力は以前にも増して、メンバー企業が連合を活用し、いかに迅速に自社の競争力向上に結びつけられるかという実利によって計られるようになった。

 日産、ルノーとの間には資本関係の見直しという火種がくすぶる。今は小康状態にあるが、一度は日産に経営統合を求めたルノーのジャンドミニク・スナール会長が蒸し返せば、日産のエンジニアは間違いなく白ける。そうなれば共同事業の健全化の動きがしぼみかねない。日産は1日付で専務執行役員だった内田誠氏が社長兼CEOに就く新経営体制をスタートした。“果実”を得られるよう共同事業の方向性を示し、それに沿う形でルノーとの資本関係を見直していく―。このような理想型を描けるか、手腕が問われる。

日刊工業新聞・後藤信之

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最終更新:2019/12/2(月) 11:20
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