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いいものすべてを「取り入れない」。少ない武器を磨いて使った渋野日向子“プロ1年目”の成長戦略

2019/12/2(月) 18:31配信

みんなのゴルフダイジェスト

賞金ランク2位でルーキーイヤーを終えた渋野日向子。なぜ彼女はツアールーキーでありながら最終戦の最終日最終ホールまで賞金女王を争う戦いができたのか。日本女子オープン以降の渋野日向子のプレーをすべて現地で観戦したプロゴルファー・中村修が分析!

賞金ランク2位!渋野日向子のドライバー連続写真

「基本のピッチ&ラン」を磨き上げ“大人のゴルフ”ができるように

プロゴルファーであれば、誰もが自分の武器を増やしたいと思うものです。私自身、ツアーで戦うためになんとかアプローチの引き出しを増やそうともがいた時期がありました。俺より上手いプロはあれもできる、これもできる。ならば自分もできるようにならなければ! と。

しかし、渋野日向子選手は違いました。彼女と青木翔コーチがツアーを戦い抜く上で選択したのは、武器を増やすのではなく「少ない武器を磨いて使う」という戦略です。

渋野選手がコースで見せるアプローチは基本のピッチ&ランが大半。私が渋野選手のプレーへの密着をはじめた日本女子オープンから、最終戦のLPGAツアーチャンピオンシップ リコーカップまで、それは変わりません。しかし、当初は散見された寄せきれずにボギーにする姿は、後半戦になるにつれ見られなくなっていきました。

とくに見事だったのは、昨日終わったばかりの最終戦です。お気付きの方も多いと思いますが、渋野選手は4日間を通じてショットが好調とは言えませんでした。それでも終わってみれば2位タイと優勝争いに最後まで加わることができたのは、苦手とされてきたアプローチでしのぎ続けたからでした。

試合中、私はそれを「大人のゴルフ」と表現しました。意味合いとしては、バーディも多く出るが、ボギーも多く出るというゴルフではなく、しっかりとパーを重ねてチャンスを待つということですが、それができるのは技術の上積みがあったからです。

ルーキーである渋野選手にとって、周りのプロたちはみんな自分より上手いと感じていたはずです。自分はショットでピンを狙うしかできない。それに対して、他のプロたちは、外したときの多彩な寄せ技を持っている。

それを渋野選手は1年間見続けてきました。そして、「どうやって打つんですか?」と青木コーチに聞き、教わった内容を練習し、コースで試して「あ、できた!」という成功体験を地道に積み重ねてきたんです。その集大成が、最終戦での大人のゴルフだったと私は思います。

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最終更新:2019/12/2(月) 18:31
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