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債務まみれの世界経済、脱却の道はさらなる債務積み増しか

2019/12/2(月) 13:34配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 過去10年近くにわたる金融緩和の結果、世界中の政府や企業、家計の債務残高は過去最大の計250兆ドル(約2京7415兆円)に上っている。これは世界全体の国内総生産(GDP)の約3倍の規模で、地球上の全人口で割ると1人当たりほぼ3万2500ドルに相当する。

こうした状況に伴って生じている一連の現象として、中国ゾンビ企業の延命、学生ローン返済に苦しむ米国民、多額に上るオーストラリアの住宅ローン残高、アルゼンチンにおける新たなデフォルト(債務不履行)懸念などが挙げられる。

このような負の遺産とも呼べる問題の多くは、直近の金融危機を受けて各国・地域の当局が借り入れを意図的に活用し、景気浮揚を図ったことに起因するものだ。金利が何年も過去最低水準で推移してきたおかげで、大半の者にとって債務負担は引き続き対処可能である一方、債務残高は膨らみ続けている。

金融危機以降で最も緩やかなペースに成長が落ち込む中、各国・地域の当局が景気てこ入れに用いる選択肢には「共通項」がある。それはさらなる債務の積み増しだ。グリーン・ニューディールや「現代貨幣理論(MMT)」など赤字財政支出の提唱者は、中央銀行が景気下支えで実質的に手を尽くした現状にあって、企業や家計の活気を取り戻すには多額の財政支出が必要だと主張する。

財政規律を重んじるタカ派はこの種の提案について、さらなる問題の種をまくだけだと指摘する。しかし、経済的な問題を引き起こすことなく債務残高をどこまで積み上げることが可能かという方向に議論は向かっていると見受けられる。

欧州中央銀行(ECB)のラガルド総裁や国際通貨基金(IMF)の当局者らは、経済的な配当が得られるプロジェクトのため、今は借り入れを行う好機だとして、各国政府に歳出拡大を呼び掛けている。

元米財務省当局者でIMFで米国を代表する理事も務めたマーク・ソーベル氏は、「債務のGDP比率に関する先進国の制限速度は、以前の常識が変わりつつあるのかもしれない」とし、「金利負担の減少と、安全資産に対する市場の累積需要を踏まえると、主要先進国は一段と大きな債務負担に十分耐えることができるのではないか」と話した。

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最終更新:2019/12/2(月) 13:34
Bloomberg

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