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不登校問題、タレントの「前向きメッセージ」がつらい理由 「9月1日」のその後 元当事者がぶつけた本音

2019/12/4(水) 7:00配信

withnews

そろそろ2学期が終わります。夏休みが終わるころ、盛んに取り上げられたのが「9月1日」を巡る報道です。生きづらさを抱える10代の存在が知られるようになった反面、9月1日以降も悩み続ける子どもがいるのも事実です。不登校にまで至らない人の方が多いという声もあります。10月、かつて不登校を経験するなどした人たちも通うオルタナティブ大学、NPO法人「シューレ大学」で学生10人が集まり「9月1日」を巡る報道内容などについて議論しました。「今が苦しい人」を支えながら「根本を変える」ために何ができるのか。学生たちの言葉から考えます。(朝日新聞記者・金澤ひかり)

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「死にたくなるほどじゃないと逃げたらだめ?」

議論を提起したのは、小学校1年生の途中からホームエデュケーションに切り替え、中学高校には通っていない山本朝子さん(33)です。

山本さんは、幼稚園の頃から集団行動が苦手だったといいます。自分で行動を選択できない窮屈さを感じ、当時、先生に「雨の日は外に出ちゃダメ」と言われたことを今でも覚えています。
「だからこそ、小学校に上がるのが楽しみだったんですが、行ってみたら期待と違ったんです」
小学校で待っていたのは、やはり集団行動でした。「みんなで一緒に」の空気に耐えられず、学校に通わないことを選びました。


シューレ大学での議論ではまず、8月中に報道された、9月1日問題を巡るテレビ番組の内容などを、山本さんが振り返り、「『逃げろ』に違和感を感じる」と思いを伝えました。

「死にたくなるほどじゃないと、逃げたらだめなのかな。学校には、死ぬ直前まで行かないといけないんだろうか」

「メッセージが発信されるのは悪いことではまったくないし、応援してくれているのは伝わるんだけど、『けっこうなところまで追い詰められないと、学校に行かないことは許されないんだな』と感じる人もいそう」

「著名人が発信する『好きなものがあれば道が拓ける』というメッセージもつらかった」と話す女性もいました。

「掃除して、洗濯して…という平凡な毎日でもいいんじゃないの?」と続けます。

山本さんは「大人になったらいいことあるよという声もあったよね」と振り返り、「でも、『じゃあ、いま苦しくてもいいんですか』と。そのときが大事なのに」などと、感想を伝え合いました。

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最終更新:2019/12/4(水) 11:37
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