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「マジ価値」で挑む、freeeのUXデザイン。確定申告のプロフェッショナルの信頼を支える

12/3(火) 7:06配信

Web担当者Forum

ユーザーにとって本質的な価値があるものを作っているか――。クラウド会計ソフトを提供するfreee株式会社には「マジ価値」という指針がある。ユーザーに本質的な価値を届けることが、組織の前提となっている。

freee株式会社で、「申告freee」という税理士向けプロダクトのUXデザインを手がけるデザイナー春田雅貴さん(HCD-Net認定 人間中心設計スペシャリスト)に聞いた。

 

「マジ価値」の基準を満たすために、初めてのユーザーインタビューを実施

春田さんは、「申告において絶対に間違えてはいけない項目を、正しくユーザーに理解してもらえる画面の設計になっているかどうかを常に意識している」と話す。

freeeには「マジ価値」という価値指針がある。これは「ユーザーにとって本質的に価値のあるものを作っているか」という意味だ。この指針はUX チームだけでなく、組織全体に浸透している考え方で、さまざまなところで議論が行われているという。

今回お話を伺った春田さんは、2019年の春にリリースされた、「個人の確定申告を税理士が代理する機能」のUXデザインを担当。リリースの約1年前からユーザーである税理士事務所に行きインタビューをして、準備を進めていった。



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本当に価値があるものを作る「マジ価値」があったので、ユーザー(税理士)に話を聞く、というのは自然な流れでした(春田さん)
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実はそれまで、ユーザーインタビューの経験がなかった春田さん。社内メンバーに教えてもらいながら、事前準備やインタビュー設計を進めていった。

しかし最初は、ユーザーインタビューが全くうまくいかなかったという。それには税理士の業務が関係している。

税理士は専門性が高い。深堀りして話を聞くものの、その業務が税理士の業界全体のことなのか、事務所固有の慣習としてやっていることなのか、区別がつかなかったと春田さん。

 

非効率に見えるフローに隠された理由

さらに、「税理士事務所」と言っても、規模の違いで業務フローが異なる。大きい事務所の場合は、確定申告までの流れを完全に分業しているので、同じソフトでも入力担当と税理士で使い方が異なる場合がある。また、事務所ごとで使い方に違いもあった。

ユーザーインタビューをする前は、税理士がソフトを選ぶ基準は、

・より早く作れること
・無駄な作業がないこと

だと考えていた。しかし、インタビューしてみると、税理士にとって重要なことは「正しく申請書が作られること」だと気が付いた。一見、非効率に見えるフローにも、計算の間違いがないか念入りに確認するために、あえて業務フローに組み込まれていたのだ。

一つでも数字を間違えてしまうと、顧客からの信頼を失ってしまうことになる税理士。実際にインタビューしたことで、税理士の申告業務を理解でき、個人事業主の申告業務との違いも明確になったという。

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もしユーザーインタビューをしていなかったら、自分の思い込みで、「早く、効率よく作る」を基準に機能設計をして、失敗していた可能性があります(春田さん)
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最終更新:12/3(火) 7:06
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