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なぜ広島は冬の旬食材「カキ」の生産量が日本一なのか?

12/3(火) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 ようやく冬本番。寒くなると食べたくなるものといえば「カキ」だ。

 真ガキの旬は11~3月。この期間は生食でも楽しめる。東京・銀座の「ひろしまブランドショップTAU」では、今年で8回目となるオイスターバーが12月8日まで金・土・日曜限定で開催中だ。

 提供されるのは、塩田跡の養殖池で熟成された「クレールオイスター」や、通常の1.5倍の大きさの三倍体カキ「Zオイスター」など。産地直送のこだわりの生カキが1粒400円から楽しめるとあって、毎年人気のイベントとなっている。

 それにしても、広島=カキのイメージは強い。実際、日本最大の生産地で、2017年は全国のカキの総生産量の62.7%(1万8708トン=むき身)を広島産が占めた。2位の岡山県が3010トンだから6倍以上、圧倒的なシェアである。

 日本全国、カキの養殖地は他にもたくさんあるのに、なぜ広島はここまで断トツのカキ王国なのか? 広島県水産課の飯田悦左課長に話を聞いた。

「まずひとつは大きな川があること。太田川といって、この川を通じて山からの豊富な栄養源が海に注ぎ込むのです。さらに広島湾には島がたくさんあるので、海流が穏やか。そうすると栄養源が流れ出ていかず、とどまりやすくなります。また流れが穏やかだと、カキの幼生(赤ちゃん)も根づきやすい。つまり地理的にカキが生育しやすいのです」

 カキが育つのに適した環境のおかげで、縄文・弥生時代から天然のカキが食べられていたといい、養殖も室町時代から始まったとされる。

「もうひとつは養殖技術です」

 カキの養殖は、幼生を付着させたホタテ貝の貝殻をロープなどに大量につなぎ、竹筒などで一定間隔に調整した上で、海に浮かべたイカダから垂直に吊るして行われるが、広島では戦後に針金やプラスチックなど耐久性に優れた道具を導入。そのおかげで生産効率が飛躍的に上がり、大量生産できるようになったという。

 ちなみに、広島ではカキをむく作業を「かき打ち」という。小さな手鉤(てかぎ)のような道具を、まさしく打ちつけるようにして素早く殻から外す技術は、大量のカキを短時間で処理するために生まれたもの。熟練者は1日に平均3200個ものカキをむくそうだ。

 もちろん広島以外にもさまざまな産地のカキが出揃うこれからの季節。日本の冬の味を思う存分堪能したい。

最終更新:12/3(火) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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