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HoloLens 2でコーヒーメーカーのユーザーサポート! デロンギが実証実験

12/3(火) 11:16配信

Impress Watch

 株式会社ベルシステム24ホールディングス(以下、ベルシステム24)は2日、3D技術を活用したカスタマーサポートの実証実験を開始すると発表した。

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 デロンギ・ジャパン株式会社(以下、デロンギ)のコンシューマ用コーヒーメーカーのカスタマーサポートに、DataMesh株式会社が開発したアプリケーションと、日本マイクロソフト株式会社のMicrosoft HoloLens2を活用することにより、遠隔地にいても実機が身近にある感覚でユーザーサポートを実現するという。

 ベルシステム24 代表取締役社長執行役員CEOの柘植一郎氏は、「労働人口不足が叫ばれている中、新しいテクノロジー導入により、働く能力はあるのに、子育て、介護などで本社に出勤して働くことが難しかった人が、自宅で働くことができるようになる。また、研修、デロンギ以外の自動販売機、自動車のエンジンといった、大きくて重い機器のサポートなど、ビジネスデザインの見直しを実現できる可能性がある」と述べ、テクノロジーを活用したサポート事業の改革に意欲を見せている。

 実証実験は数カ月の予定で、できるだけ実ビジネスに近い環境で実施する計画だ。3D化した新カスタマーサポートシステムについては、現時点ではコストなどは未定で、実証実験を行いながらコストなどを具体化していく。

■HoloLens 2とAzureの組み合わせにより、コールセンターに新しい世界を実現

 今回のカスタマーサポートシステムは、サポート事業を展開するベルシステム24、同社のコールセンターでカスタマーサポートを行うデロンギに加え、日本マイクロソフトが11月7日から出荷しているHoloLens 2、HoloLens 2で動く3Dアプリを開発するDataMeshの4社がそろったことで実現した。

 ベルシステム24では、コールセンター業務において労働人口の確保を大きな課題としている。「ご承知の通り、労働人口は長期的に減少傾向にあり、われわれの都合にあわせて働いてもらうことができる労働者が減っているという点を、企業側がもっと真剣に考えないといけない。実は、『時間や場所の制約があって、働きたいのに働けない』『働く能力はあるのに働くことができない」といった人はまだまだ多い」(ベルシステム24の柘植氏)。

 子育て、介護などにかかわる人の中には、一度自宅に帰り、再び会社に戻って働いている場合もあるそうで、自宅で作業ができれば、少ない負担で働けるようになる人もいるという。

 また、デロンギのコーヒーメーカーのようなハードウェアは、サポート内容によっては実機のところに行って、分解して回答を行う必要があるケースもある。ベルシステム24のコールセンターを利用するユーザーの中には、自動販売機、自動車のエンジンなど巨大で、運搬が難しいものもあるため、「遠隔地でのサポートだけでなく、社内での研修、サポート等にもMixed Reality(MR)技術が大きな力を発揮することを期待している」(ベルシステム24の柘植氏)と、テクノロジー活用によるサポート事業改革の可能性を評価している。

 今回、MRテクノロジーを活用したカスタマーサポートを開始するデロンギでは、「(イタリアの本社は)1902年に創業したが、基本的な事業戦略は『カテゴリー№1となって市場を牽引していく』という基本戦略は変わらない。この戦略は、サポートの仕組みなしでは実現できない。サポートにかかわる投資は積極的に行っていくし、今回の新しいサポートの仕組みは、サポートを次の段階に持って行くことができるのものと期待している」(デロンギ 代表取締役社長 杉本敦男氏)と、新しいサポートの仕組みを前向きに取り入れる意向だ。

 一方で、3Dのサポートシステムのベースとなるアプリケーションを開発したDataMeshは、MRを活用したコンテンツの開発や支援を専業で行っている企業だ。

 DataMeshの代表取締役、王暁麒氏は、「MRとクラウド活用することで、アナログだったトレーニングなどの業務が大幅に効率化され、誰もがエキスパートとなる可能性がある。当社が提供しているシステム基盤DataMesh Directorを今回の取り組みで利用している」と説明。

 また、「3DモデルをAzureにアップロードした後、3Dシナリオをアップロードし、シナリオに合わせて3DモデルをDirector Editorで編集する。さらにサポートを行う人に3Dシナリオを配布し、Director Playerで利用してもらう」と仕組みを紹介した。

【お詫びと訂正】・初出時、王氏の写真のキャプションを誤っておりました。お詫びして訂正いたします。

 さらにこの仕組みを利用し、実証実験から本稼働へと移行するにあたって重要となる3つのポイントを指摘する。

 まず本稼働となると、取り扱う機器の数が大幅に増加するため、3Dモデル制作数が大幅に増えることになる。そこで、CADデータがある場合はそこから活用するが、CADデータがない場合には実機からデータを起こしていく“3Dモデル工場”によって多数の3Dモデル制作を進めていく。

 シナリオ編集については、専門の知識がなくても、PowerPoint編集する感覚で利用できるものを用意。3Dモデル数が多くなると、外部企業に委託することが難しくなることから、ユーザー企業側でシナリオ編集を行えるようにする。

 利用するデバイスは、HoloLens 2をはじめ、スマートフォンやタブレットを使ってARで利用することも可能。現在はiOSに対応しているが、Androidにも対応し、クラウドからデータを一元管理し、マルチデバイスでの利用を可能とする。

 今回の案件に対し、日本マイクロソフトの執行役員 常務 クラウド&ソリューション事業本部長兼働き方改革推進担当役員の手島主税氏は、「今回の取組は、コールセンターにHoloLens 2とAzureの組み合わせによって新しい世界を実現するもの。11月にHoloLens 2の出荷を開始したが、ビジネス用途にいかに活用できるのかにこだわったシナリオ作りを行った。特にファストラインワーカーの皆さんに新しい働き方を提案する内容が多いが、まさにそれに合致しているのが今回の取組」と全面的に評価した。

クラウド Watch,三浦 優子

最終更新:12/5(木) 14:52
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