ここから本文です

盗まれた車が事故 責任は持ち主に? 最高裁が判断へ

12/3(火) 18:22配信

朝日新聞デジタル

 管理に不備があって盗まれた車が交通事故を起こした場合、賠償責任は車の所有者にあるのか――。この点が争われた訴訟の弁論が3日、最高裁第三小法廷(林景一裁判長)であった。弁論は二審の結論を見直すために必要な手続きで、「盗まれても仕方がない状態で保管されていた」として所有者の責任を認めた二審判決が見直される可能性がある。判決は来年1月21日に言い渡される。

【写真】盗難車の事故をめぐる訴訟の構図

 一、二審判決によると、2017年1月の深夜、川崎市内の金属精錬会社の独身寮に止めてあったワゴン車が、忍び込んだ男に盗まれた。約5時間後の早朝、男の居眠り運転により、4台が絡む多重事故が発生。巻き込まれた車を所有する企業2社と、うち1社と自動車保険を契約していた損害保険会社の計3社が、事故を起こした車を所有する精錬会社に修理費用などの支払いを求めて提訴した。

 訴訟では(1)車の管理に問題はなかったか(2)盗難と事故の間に因果関係があるか――の2点が争われた。(1)については、一、二審とも車を止めた社員がドアを施錠せず、鍵を運転席の日よけに挟んだままにしていたことから、「管理に過失があった」と認めた。

 一方で(2)の判断は分かれた。一審の東京地裁は、盗難と居眠り運転が事故の原因で「管理の過失が事故を招いたとは言えない」として精錬会社に責任はないと判断。だが、二審の東京高裁は車が深夜に盗まれた点を重視し、「自動車盗、居眠り運転、事故という一連の流れを予想できた」と認定。精錬会社に総額約790万円の賠償を命じた。

 上告した精錬会社は二審の判断は(1)も(2)も誤りだと主張。この日の弁論で、「車は私有地に保管しており、施錠の有無はドアを開けないと分からない。事故は第三者の意図的な窃取と居眠りという重過失によるものだ」と指摘した。

 同じような裁判例は過去にもあり、車の管理状況や盗難から事故までの時間、事故の状況などを検討し、賠償責任の有無を個別に判断している。第三小法廷も今回、二審の妥当性を検討するとみられる。(北沢拓也)

朝日新聞社

最終更新:12/3(火) 21:37
朝日新聞デジタル

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事