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ANAトラベラーズが「手ぶら旅行」や「ツアーマイル」など新サービス展開。特別CEOの綾瀬はるかさん「広島に遊びに来んさい」

12/3(火) 18:13配信

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 ANAセールスは12月3日、「ANAトラベラーズ」ブランド立ち上げから1周年を迎えたことを契機とする新商品・新サービス発表会を実施した。

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 ANAセールスでは2018年11月に国内/海外ツアー商品や各種サービスの総称となる旅のブランド「ANAトラベラーズ(ANA Traveler's)」を立ち上げており、11月26日からは1周年記念キャンペーンも実施している(関連記事「ANAセールス、『ANAトラベラーズ』ブランド1周年でANA旅行券などプレゼント。ツアーでマイルが貯まる「ツアーマイル」も開始」)。

 ANAセールス 代表取締役社長の宮川純一郎氏は、ANAトラベラーズブランドコンセプトである「期待を超える旅体験をお客様さま一人ひとりと紡ぐ」というビジョンを実現するため、5つのテーマを掲げた。

 1つ目は「多彩なニーズに応える商品・サービス」についてで、店頭で価格変動型のダイナミックプライニング型旅行商品の販売を2020年3月31日から開始することを発表。さらに、「各施設や現地の観光素材とバリエーションを拡大するとともに、地方自治体など業種の垣根を越えたサービスプロバイダと協力して、これまでにない新たな旅の提案、新たなバリエーションの商品を展開していきたい」とした。

 2つ目は「一人ひとりに合ったWebサービス」について、商品検索や予約を24時間利用可能なWebサービスの提供や、11月22日にリリースしたハワイの情報や便利ツールを集めたスマホアプリ「A-NAvi」を紹介。「今後も多様化する一人ひとりのご要望に寄り添って、よりよいコミュニケーションを追求するとともに、旅をより豊かに、快適にする」とさらなるサービス充実の姿勢を示した。

 3つ目は「お客様に寄り添うカスタマーサポート」で、10月に導入したAIチャットボットによるサポートや、ユニバーサルサービスとして「おからだの不自由なお客様の旅行相談デスク」の設置などを紹介。「今後も身近な存在としてお客さまの期待を超える旅体験を提供することで、お客さま満足向上を図りたい」との考えを示した。

 4つ目は「ANAのマイルが貯まる・使える商品サービス」で、「2020年4月1日出発分から、ANAトラベラーズのパッケージ商品について、旅行代金100円に対して1マイルが貯まるツアーマイルを開始する。フライトマイルに加えてツアーマイルが貯まる」と発表。先述の関連記事にもあるとおり、12月中旬からは「ANAトラベラーズホテル」で支払代金の一部にマイルを利用できるサービス、2020年内に「ANAトラベラーズ レンタカー・遊び・体験」もマイルを利用できるサービスを展開する予定で、「これによりANAトラベラーズすべての商品でマイルが貯まる、使える」と説明した。

 5つ目は「ANAグループの安心と信頼」。これまでANAセールスでは、国内旅行商品を「ANAスカイホリデー」、海外旅行商品を「ANAハローツアー」のブランドで展開してきたが、2020年以降は「ANAトラベラーズ」に統一することを発表。「さらに皆さまに愛される『ANAの旅のブランド』を目指す。これまで培ってきた安心と信頼の品質に磨きをかけて、お客さまの旅行前、旅行中、旅行後のすべてのシーンで、安心で快適なサポートに努めていく」との意欲を語った。

■「いままでの旅とはひと味違うイノベーション起こす」。新サービスの紹介

 続いて発表会では、ANAセールス 旅行戦略部長の田部敏之氏が登壇し、ANAトラベラーズの新商品・新サービスについて具体的な紹介を行なった。

 田部氏は「旅行業界においてもデジタルトランスフォーメーションが起きている。新しいプレーヤーが登場し、新しい価値を旅行業界にどんどん吹き込んでいる」とし、ANAトラベラーズへのブランド統一にあたって大きく3つの柱で商品・サービスの再設計に臨んだという。

 1つ目は「DBM(データベースマーケティング)によるお客様ニーズの把握」についてで、社内にある情報集約に加え、各種SNSなどの投稿データを収集し、これらをAIを活用して解析。そのデータを顧客ニーズの把握や商品作りに活用したいとしている。

 2つ目は「多様なニーズに合わせた旅行商品・サービスの拡充」で、ANAトラベラーズブランドでは、「安心サポート、マイレージサービスは標準装備。加えて、ダイナミックプライシング型の商品(後述)を拡充して多様なニーズに応える。さらに、旅行業界に留まらず他業界と協業サービスを行なう」という基本方針を示し、「これまでの旅行商品では味わえない価値を作り上げていきたい」とした。

 3つ目は「One to Oneコミュニケーションによるお客様への情報提供」について、「日常からタビマエ、タビナカ、タビアトまで、お客さま一人ひとりの状況に合わせてコミュニケーションを最適化をする。非常に難しい課題だと思うが、我々の強みとしてはWebサイトや予約センター、デジタルタッチポイントとヒューマンタッチポイントを最適化することで、お客さまによりよい情報提供をしたい。なかでも、タビナカに特に注力したい」とし、例としてハワイ情報を提供する「A-NAvi」を紹介した。

 田部氏は続けて、2つ目に掲げた「多様なニーズに合わせた旅行商品・サービスの拡充」に関し、「多くのお客さまにご利用いただいているが、さまざまなニーズがあり対応し切れていない状況。これらのニーズを踏まえて、14の新たなサービスを提供する。業界初のものが多いと考えているが、14個のサービスを提供することで、いままでの旅とはひと味違うイノベーションを起こしていきたい」との意欲を示し、具体歴の紹介に移った。

 例の一つ目は「ダイナミックプライシング型商品」の提供。これは、店頭取り扱いの旅行商品の航空券を、「355日前から」「価格変動型で低需要期はお得に」「高需要機も最後の1席まで」「出発前日にも」購入できるようになるもの。先述のとおり2020年3月31日より販売を開始する。

 2つ目はネット宅配レンタルの「ANA手ぶら旅行サービス」。田部氏は「旅先でもっとおしゃれに過ごしたい。けど、荷物はあまり持っていきたくない、というニーズが少なからずあり、我々のアンケートでもそのニーズを確認できている」と話し、同サービスの内容に言及。

 実現にあたっては「我が社だけではできないサービス」であるとし、レンタル商品の提供元として、アパレルメーカーのバーニーズ ニューヨーク(日本法人はバーニーズ ジャパン)、カメラメーカーのキヤノンマーケティングジャパン、美容機器メーカーのクレイツ、そして返却品のクリーニングを行なう東田ドライが参画。その基盤となるシステムの設計・開発は富士通が担っている。

 このとおり、ANA手ぶら旅行サービスは、まず「ファッション」「カメラ」「美容機器」のレンタルでサービスを開始。今後、新たな協業企業獲得や、アイテムの充実を図っていく考えを示している。

 ファッションはバーニーズがコーディネートしたもので、1回に3種類までレンタルできる。オンラインで事前にアイテムを予約し、必要な荷物だけで身軽に旅行に出かけ、ホテルでレンタルしたアイテムを受け取り、利用後にホテルで返却、身軽に帰宅できる。

 12月2日~15日は、2020年1月1日~3月31日の旅行を対象とした第1弾モニタープランの募集期間となっており、一品一律2000円でレンタルできる。

 発表会には協業した富士通とバーニーズ ジャパンの代表者も登壇。

 富士通 共創イノベーション事業部 シニアマネージャーの中村岳史氏は、同社が6月にリリースしたシェアリングサービス基盤をベースに、複数の小売店やアイテムに対応できるよう再構築したシステムであることを説明し、「利用者にも優れた利便性を提供するとともに、事業者にとっては相乗効果のあるエコシステムを構築できると考えている。シェリングエコノミーが普及して、所有から利用へと変化するなかで、このような新しいサービスが、旅行という非日常だからこそ借りたいもの、それによる体験、新たな価値創造に、大きな需要を期待できると思っている」との期待を示した。

 バーニーズ ジャパン 経営企画デパートメント ディレクターの中本智巳氏は「元々一消費者としても旅先で気軽におしゃれを楽しみたいというコンセプトは魅力的なサービス」と喜びを示すとともに、「今回、当社が提供するコーディネートは、旅先でお客さまが体験されるであろういろいろなシーンを想定しながら準備している。普段は手元になくても、旅先だからこそ楽しめるおしゃれなアイテムも用意している」と話し、利用者の旅の充実に期待した。

 最後に、「シェアリングエコノミー」の新サービスについて紹介。ANAHD(ANAホールディングス)が2018年9月にシェアリングエコノミーを提供する10社と提携し、ANAセールスの運営による「ANAシェア旅~Look for your style」というWebサイトを立ち上げている。ここではシェアリングエコノミーのサービスを利用すると各種割引きクーポンや、利用額に応じてANAマイルが貯まるというメリットを提供していた。

 新たなサービスは、利用者側ではなく、提供側になるというもの。さまざまな旅行体験の予約サービスを展開する「TABICA」を運営するガイアックス、農業人材のシェアリングを推進するシェアグリ、愛犬家の助け合いコミュニティを運営するDogHuggyと協業し、旅イベント開催や街案内、農業の手伝い、留守中の愛犬の預かりなどを提供することで、サービスの謝礼に加えて、初回提供に限り愛犬預かりなら6000円分、そのほかは5000円分のANA旅行券を提供するものとなっている。

 発表会にはシェアリングエコノミー協会 代表理事の上田祐司氏が登壇し、「お得に旅をしたいというのを、自分の得意を活かし、交流しながら実現できる。シェアリングエコノミーの輪が広がれば」との期待を寄せた。

■綾瀬はるかさんが特別CEOに就任。ANA手ぶら旅行サービスは「旅の余韻にひたれる」

 発表会では続いて、ANAトラベラーズの特別CEOに就任した綾瀬はるかさんが登場。「CEOといっても最高経営責任者(Chief Executive Officer)ではなく、『Chief Experience Officer』という、皆さまに最高の旅経験をお届けする責任者となります」と冒頭であいさつし、「ANA手ぶら旅行サービス」「ANAシェア旅」についてのサービスを紹介した。

 ANA手ぶら旅行サービスについては、「このサービスを利用すれば、旅行先で、プロの方が選んでくれた洋服や鞄などいろいろなアイテムが、コーディネートされた状態で借りられるサービスです。旅行行くときに何を着ていこうと悩んだり、帰宅してからも洗濯物がたくさん貯まったり、そういうことが軽減される便利なサービスだと思います」と概要とメリットを紹介。

 さらに、「手ぶら旅行なら組み合わせを考える必要もないですし、旅先のおしゃれなレストランにも行けたりしますね。寒いところに行くときも防寒対策ができますし、男性ならジャケットを持っていかれる方はしわなどが気になると思うので、このサービスが役立つと思います」と、さらに具体例を挙げて深掘りし、「もちろん準備が楽というのはあると思いますし、旅行から帰ってきてから、なにもしなくてもよいぶん、旅の余韻にひたれることもあるのかなと思います」と、タビマエからタビアトに至るサービスの価値について説明した。

 シェアリングエコノミー「ANAシェア旅」については、「自分の得意なスキルをシェアすることで、ANA旅行券をもらえるサービスになります。(ANA旅行券は)旅行代金の支払いなどができ、旅行券が貯まるとタダで旅行ができることもあります」とメリットを紹介。

 さらに司会者に「綾瀬さんならどんなスキルをシェアしたいですか?」と促され、「広島出身なので、お手本として少し広島案内をやってみます」とシェアリングエコノミーにチャレンジ。

「広島といえば、やっぱり牡蠣ですけど、牡蠣小屋ででぷりっぷりな新鮮な牡蠣を食べてほしいです。お好み焼きも絶品ですし、いま牡蠣や帆立が入ったお好み焼きもありますし。広島出身のお勧めといえば、肉玉そば、イカ天……です!」とグルメを推しまくったのちに、「厳島神社もやはり有名なので、潮が満ちたときに鳥居が浮かんでいるように見える幻想的な風景もぜひ見ていただきたいなと思います」と観光地も紹介。そして、「そんな感じじゃけん、皆さんに広島に遊びにきんさい」と広島弁で呼びかけた。

■宮川社長「どんどん協業して、ANAトラベラーズを強力な旅のプラットフォームに」

 発表会終了後、ANAセールス代表取締役社長の宮川純一郎氏に話をうかがうことができた。

 ANAセールスがシェアリングエコノミーに取り組む理由について宮川氏は、「ANAセールスの旅行は典型的なBtoBのビジネスモデルで、まずは商品を作って、旅行代理店に卸すという形だった。我々としては市場との直接の接点が弱かったと思い、まずはBtoC、BtoCtoCと、市場やお客さまとの接点を増やしたり、ダイレクトに販売する形や、SNSでシェアしていただいてユーザー間でコミュニケーションしてもらうといった、いろいろな新しい流れを作っていきたいという思いがある」と説明。

 また、ANAグループ全体としてもシェアリングエコノミーに注力しているとし、「このサービス群もANAHDのデジタル・デザイン・ラボとコラボしてやっているものがあり、ANAセールスからデジタル・デザイン・ラボに出向して、旅行に使えるものはどんどん使っていこうという流れを作っている」との背景を紹介した。

 一方、旅行会社として自社で提供するのではなく、消費者間のサービス提供などを取り入れることに対しては、「すべてを自社で品ぞろえできないと思うので、できないところはどんどん手を借りたい」との方針を示した。

 この点について宮川氏は、ANAトラベラーズについて「旅のプラットフォームという構想を持っている」と話し、「プラットフォームにどれだけ品ぞろえやバリエーションがあるかが競争力を左右する。自分たちですべてまかなえれば、それに超したことはないが、自分たちが不得意なところは、いろいろなところと一緒にやっていきたい。タビナカのアクティビティや体験では自社で仕入れる商材もあるが、(すでに協業している)ベルトラさんやasoview!(アソビュー)さんなどが強力でよいコンテンツをもってらっしゃるので、それだったら一緒にやっていきたい」という。

 そうしたプラットフォームにおけるANAセールスらしさについては、「飛行機は国内で50%のシェアがあるので、そこは強力なフックになる。しかし、そこに付随したいろいろな物で旅は構成されているので、そこをプラットフォームとしてカバーしたいと思っている。その過程でなかなかカバーできないレイヤーがあるので、自社で整えるまで待つのではなく、どんどん手を借りてやっていく」との方向性を語った。

トラベル Watch,編集部:多和田新也

最終更新:12/3(火) 18:13
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