ここから本文です

柏、J1昇格即優勝の再現なるか? 衝撃の「13-1」は新たな戦いの序章にすぎない

2019/12/3(火) 8:13配信

REAL SPORTS

明治安田生命J2リーグ最終節。13-1という誰も予想しなかった結末となった柏レイソルvs京都サンガF.C.の試合は大きなニュースとして取り上げられた。Jリーグ初の二桁得点となった13点という点数について、そして8得点を記録した「オルンガすごい」という選手個人についてばかりが先行して話題となる中で、なぜこの点差が生まれたのかについて改めて考察する必要性を感じた。その考察の先には、この試合に懸けた“誇り高き敗者”京都の覚悟と、1年かけて根づいた柏の“ネルシーニョイズム”が浮かび上がってきた。

柏ならではの“入念な準備”が生み出した13得点

柏レイソルが仕掛けた攻撃のほとんどがシュートまで完結し、さらにそのシュートが次々とネットへと吸い込まれていく。明治安田生命J2リーグ最終節となった第42節の京都サンガF.C.戦で、柏レイソルは13得点を奪う記録的スコアによる大勝を飾り、2019年シーズンを締めくくった。

第41節のFC町田ゼルビア戦でJ2優勝とJ1復帰を決めた柏にとって、最終節の京都戦は何も懸かっていない“消化試合”だった。だがそれは、あくまで外野側の視点である。優勝を決めたとはいえ、チーム内に気を緩める雰囲気は微塵もなかった。実際にネルシーニョ監督は、京都戦に向けて、以下のように意気込みを語っていた。

「最終節だからといって戦力を落とすつもりはまったくない。現状、しっかり準備ができている選手を見て、人選をして、試合に臨みたい」

同時に京都戦の週のトレーニングの雰囲気を問われたネルシーニョ監督は「良い意味でタイトルを取る前と雰囲気はまったく変わらない」とも言っている。

柏がチームスローガンに掲げる“VITORIA”は、ポルトガル語で勝利を意味する言葉だ。前体制時の2010年から2014年もこの言葉をスローガンに掲げ、柏は数多くのタイトルを勝ち取ってきた。当時、ネルシーニョ監督が口にした“VITORIA”をスローガンにする真意は、実に印象的だった。

「勝利という言葉は、言うのは簡単だが、それを手にするのは難しい。そしてすべての試合に勝つことも難しい。しかし勝つための準備だけは絶対に怠ってはいけない」

事実、こういうエピソードがある。2013年のAFCチャンピオンズリーグでは、すでにグループステージ第5戦でグループ首位通過を決めたにもかかわらず「レイソルがピッチに立つ目的は勝つため」と公言し、“消化試合”と見られてもおかしくはない第6戦でも指揮官はフルメンバーを送り込んだ。結果、柏はアウェイでセントラルコースト・マリナーズFCを3-0で撃破した。柏に消化試合はない。それを体現するかのような試合となった。

第二次政権の現在でも「柏がピッチに立つのは勝つため」という目的は一切変わらない。それは監督、選手のみならず、コーチングスタッフ、スカウティング担当の分析チームもまた然り。分析チームが京都の戦い方をスカウティングし、それをもとにネルシーニョ監督は京都戦への準備を進めてきた。13-1で大勝を収めた試合直後のミックスゾーンでは、柏の選手の多くが「スカウティングではカウンターがチャンスになるという話だった」と振り返り、ネルシーニョ監督も会見の場で「京都は守備に切り替わったタイミングで背後に多くのスペースができると分析していた。相手の特徴を踏まえ、我々が準備してきた結果」と決して手を抜くことなく、入念な準備が13得点を生み出したと試合を分析していた。

1/3ページ

最終更新:2019/12/3(火) 12:32
REAL SPORTS

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事