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冬休みにも自然体験を! 21世紀を生き抜くチカラに

12/3(火) 11:20配信

ベネッセ 教育情報サイト

12月に入り、冬休みも近くなってきました。こんな時こそ、子どもと一緒に自然体験をする計画を立ててみてはいかがでしょうか。
国立青少年教育振興機構は、青少年自然の家など全国の国立施設において、親子で体験できる冬休みの活動事業を、地域ごとに一覧の形で紹介しています。小さなころの体験活動は、子どもたちにとって、これから21世紀の社会を生きるうえで必要な資質・能力を身に付けるためにも、欠かせないものです。

体験から生まれる力こそが重要に

2020(平成32)年度から大学入試センター試験に代わって実施される「大学入学共通テスト」では、記述式問題の導入などに代表されるように、習得した知識の量だけでなく、思考力・判断力・表現力などが問われるようになります。これは文部科学省が「知識・技能」に加えて、「思考力・判断力・表現力等」「学びに向かう力・人間性等」を資質・能力の三つの柱として位置付けているためです。
次期学習指導要領でも、この三つの柱の育成に重点が置かれています。また、歴史や文化が異なる者同士が集まらざるを得ないグローバル社会では、コミュニケーション能力など他者と協働できる力も必要になります。これらの力を身に付けるために不可欠なのが、小さなころからのさまざまな体験活動です。
しかし現代では、子どもたちの周りに自然が少なくなり、室内でゲームなどで遊ぶことが主流となっています。野外で異年齢の子どもたちが集団で遊ぶ機会も減っています。
これからの子どもたちに求められるのは、「何を覚えたか」よりも「何ができるようになったか」です。子どものころから、いろいろな子どもたちと協働した経験がない者が社会に出て、突然コミュニケーション能力を求められても困るだけでしょう。また、本物の自然に触れたことがない者が、自然に関する知識だけを覚えても、役に立ちません。

コミュニケーション能力や学力にも影響

しかし、何もしないままでは、今後、子どもたちを取り巻く状況が改善するのは難しそうです。
同機構や内閣府などの調査によれば、幼少期に自然体験など体験活動をしたことが多い者ほど、人間関係構築力や意欲・関心、自尊感情などが高いという結果も出ています。また、文科省の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の分析では、経済力のある家庭の子どもほど学力が高いというデータが示されていますが、家庭の経済力が家族旅行などの形で、子どもたちの体験の多寡と関係していると見ることもできそうです。
自然体験などの実体験に裏付けられた思考力、いろいろな人と協働できるコミュニケーション能力などを身に付けさせるためにも、これからの保護者が心がけるべきことは、できるだけ子どもたちに本物の自然に触れさせたり、他人と協働したりする体験を積ませたりすることではないでしょうか。
冬休みの前に、同機構の冬休みの体験活動教室の一覧などを見ながら、子どもたちにさまざまな体験を積ませることの意義や大切さなどを考えてみてはいかがでしょう。

(筆者:斎藤剛史)

※親子で楽しめる冬の活動一覧
http://www.niye.go.jp/info/katudo/

※「子どもの体験活動の実態に関する調査研究」報告書〔概要〕
https://www.city.shinjuku.lg.jp/content/000077964.pdf

プロフィール
斎藤剛史
1958年茨城県生まれ。法政大学法学部卒。日本教育新聞社に入社、教育行政取材班チーフ、「週刊教育資料」編集部長などを経て、1998年よりフリー。現在、「内外教育」(時事通信社)、「月刊高校教育」(学事出版)など教育雑誌を中心に取材・執筆活動中。

※この記事は「ベネッセ教育情報サイト」で過去に公開されたものです。

最終更新:12/3(火) 11:20
ベネッセ 教育情報サイト

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