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「もうひとりのU2」私が見たアントン・コービンの孤独な素顔(エンタメひとり旅)

12/3(火) 20:21配信

DANRO

前回このコラムで紹介したU2のボノがその魅了に取りつかれたロサンゼルスの「ミリオンダラーホテル」。すべてのきっかけとなったのは、あるフォトグラファーとの撮影だった。そのフォトグラファーの名前は、アントン・コービン。あのホテルを撮影場所に選んだのは彼だった。彼は1982年から世界中のツアーにも帯同し、U2を撮影し続けている。(喜久知重比呂)

【動画】U2 の「One」

「世界でもっとも影響力を持つ」と言われる写真家

ドキュメンタリーでアントンについて聞かれたU2のボノは「単なる写真家ではない。メンバーのひとりのように感じた。彼は外部にいながら、俺たちの一部なんだ」と語っている。「もうひとりのU2」、世界で最も影響力を持つとまで言われる写真家。ミュージックビデオ、コマーシャル、さらには映画を監督するなどマルチな才能を持つアーティスト。アントン・コービンとは一体どんな人物なのか? 私が出会った意外な素顔とは?

アントンの写真集には、デヴィッド・ボウイ、ビョーク、ニール・ヤング、「メタリカ」などのミュージシャン、クリント・イーストウッド、ジョディ・フォスター、デヴィッド・リンチ、マーティン・スコセッシ、ジョニー・デップ、ニコラス・ケイジ、メル・ギブソンなどの俳優と、錚々(そうそう)たるスターが登場する。そんな中でもU2との仕事が最も多く、大判の写真集を出版するほど。コラボレーションは多岐にわたる。写真集にはU2の家族も登場し、彼への信頼度や親密度がうかがえる。U2を世界的バンドに押し上げた名盤「ヨシュア・トゥリー」のあのジャケット写真もアントン・コービンの手によるもの。

私が彼と初めて会ったのは、2008年。場所は東京の青山。アントンが初監督した長編映画のPRのために開かれた写真展の会場。その日はオープニング・パーティーが開かれ、世界で活躍する日本の女優や有名人もいたが、参加者は少なかった。かなり貴重な集まりだった。

シャンパングラス片手に現れた彼は、すごく大きくかった。身長は2メートル近い。猫背気味に手を差し出し握手してくれた。笑顔から優しい人柄が垣間見えたが、口数も少なくナイーブな性格がうかがい知れた。この日の主役なのに招待されてきたお客さんのようだった。私は、その日リュックに入れていたコンタックスT3というカメラを取り出した。アントンに「撮影してもいいか」と聞くと、「自由に撮っていいよ」と快くOKを出してくれた。このカメラを見たアントンがサインまでしてくれた。

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最終更新:12/3(火) 20:21
DANRO

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