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神鋼アルミ線材、ビレット熱間圧延で「A4032アルミ線棒」製造。高品質・高加工性

12/3(火) 6:02配信

鉄鋼新聞

 神鋼アルミ線材(本社・大阪府堺市西区、社長・杉下幸男氏)は、かねてA4032アルミ線棒材の開発を進めていたがこのほどその製造に成功した。同社は国内唯一というビレット熱間圧延方式でアルミニウム合金線・棒を製造しているが、A4032材のアルミ線の製造は国内初。

 A4032材の特徴は耐熱性、耐摩耗性に優れ、熱膨張係数が小さいことにある。主要な用途はシリンダーヘッド、ブレーキのマスターシリンダー、トランスミッションバルブ、ステアリングラック&ピニオンブッシング、軸受、油圧アプリケーションなど。
 非常に優れた特性を有するものの、冷間加工性が極めて悪いために、従来は押出しからの棒や鋳物製品のみの供給にとどまっていた。「当社独自のビレット熱間圧延方式を用いて、当社が持つ製造技術を駆使することにより、線・棒ともに製造できることが可能となった。現在、A4032は複数のお客さまからサンプルの引き合いがあり、当社の柱として育つことを期待している」(杉下社長)。
 神鋼アルミ線材の特徴は、(1)熱間圧延方式(熱間で高加工率の圧延をすることで、鋳造組織から完全な圧延加工組織に変化)(2)均質化熱処理(ビレット鋳造後に均質化熱処理をすることで、鋳造組織が改質・均質化され、晶出物が微細化する)(3)ビレット鋳造(断面形状が軸対象で、冷却速度が円周方向で均一。円周方向に異方性・偏析のない均質な組織となる)など。これらの特徴により、加工性に優れた最終製品が製造できるという。
 最大線径の変遷では2016年までは18ミリまでだったが、17年には24ミリまで拡大した。これにより高品質・高成形性を求める顧客から多くの注文が寄せられ、現在では収益の柱になっている。そこで、より圧延材の特徴を生かすために線径28ミリまでの太径化を図った。既に、A2017、A5056、A6061、A7075において線径28ミリのコイルを作成。一部の顧客へサンプル納入を開始した。現在、線径28ミリまでの製造可能品種は他に、A3003、A5052、A2014、2024、A6063がある。今回の新開発技術により、A4032の直径28ミリ化も可能にした。

最終更新:12/3(火) 6:02
鉄鋼新聞

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