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「人の世話になりたくない」80歳男性、関越道を逆走して衝突死…法的問題は?

2019/12/3(火) 13:13配信

弁護士ドットコム

12月1日、群馬県渋川市の関越自動車道で、車が少なくとも3キロ逆走して、対向車と正面衝突。運転していた80歳の男性が死亡し、対向車の男女2人も重軽傷を負う事故が発生した。

報道によると、この男性は免許の返納を求められていたが、地元の自治会長の話では、「人の世話になりたくない」という状況だったという。

運転していた80歳の男性は亡くなってしまったが、一般論として、高速道路の逆走にはどんな法的問題があるのか。濵門俊也弁護士に聞いた。

●事故が起きず、人が死傷しなければ道交法違反にすぎない

「まず、刑事処分と行政処分からみていきましょう。

もし、逆走しただけで事故を起こすことなく、人が死傷しなかった場合、道路交通法違反でしかありません。

つまり、道路の逆走について、道路交通法は、自動車が本来の通行部分と異なる部分を通行した場合として、『通行区分違反』の行為としており、『3月以下の懲役又は5万円以下の罰金』に処せられる可能性があります(道路交通法119条1項2号の2)。『通行区分違反』の行為には、過失犯の定めはなく、うっかり逆走した場合には処罰されることはありません。

加えて、行政処分として「反則金9000円(普通車の場合)」及び「減点2点」と定められています(道路交通法施行令)。ただし、反則金納付制度により、上記反則金を納付すれば刑事罰に科されることはありません」

●人が死傷すれば「危険運転致死傷罪」の可能性

逆走して事故を起こし、人が死傷してしまった場合には、どうなるのか。

「故意に高速道路を逆走して、事故を起こし、人を死亡又は負傷させた場合には、自動車運転死傷行為処罰法(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)の「危険運転致死傷罪」(同法2条6号)に該当し得ます。

この罪の刑は、負傷させた場合『15年以下の懲役』、死亡させた場合『1年以上(20年以下)の有期懲役』と定められています。

行政処分としては『減点62点(死亡)又は55点(負傷)』と定められています(道路交通法施行令)。

ちなみに、過失により道路を逆走し、人を死傷させた場合は、自動車運転死傷行為処罰法の『過失運転致死傷罪』(同法5条)に該当し、『7年以下の懲役若しくは禁錮又は100万円以下の罰金』に処せられる可能性があります」

【取材協力弁護士】
濵門 俊也(はまかど・としや)弁護士
当職は、当たり前のことを当たり前のように処理できる基本に忠実な力、すなわち「基本力(きほんちから)」こそ、法曹に求められる最も重要な力だと考えている。依頼者の「義」にお応えしたい。
事務所名:東京新生法律事務所
事務所URL:http://www.hamakado-law.jp/

弁護士ドットコムニュース編集部

最終更新:2019/12/3(火) 14:40
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