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ゆず香る文化の里に(12月4日)

12/4(水) 8:28配信

福島民報

 楢葉町ユズ研究会の会員は「ゆず香る文化の里」づくりに思いを募らせる。実を結ぶ量は年により増えたり減ったりで、今年は少ない。会長の松本広行さんの畑は昨年の半分にも満たないが、果汁を加えた酒の仕込みに向けて準備に励む。

 特産品に育てるため二十五年ほど前、仲間と研究会を設けた。「ならはのゆず里愛[りあい]」として商品化がかなった直後、震災と原発事故に見舞われた。二年前から再び酒を造る。町内で売られ、ふるさと納税の返礼品にも重宝される。関わる人の情熱が味わいに深みを加える。

 住まいの庭木として長年、親しまれたものの、除染作業で多くが失われた。今年、町観光協会の協力を得て、懐かしい風景を取り戻す活動を始めた。人々が集うJヴィレッジや町コミュニティセンターなどに五十本を植え、来年以降も続ける。誰もが、よみがえった故郷の姿を思い浮かべる。

 地元の中学生と高校生は工夫を凝らして、菓子やせっけん、調味料に素材を生かす。松本さんは若い力を、自分たちへの声援と受け止める。昔からの言い伝えによると、実るまではモモやクリより、歳月を費やすという。地道な歩みの後の豊かな収穫を待つ。

最終更新:12/4(水) 8:28
福島民報

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