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新規事業におけるプライシングの考え方

2019/12/4(水) 10:24配信

ITmedia ビジネスオンライン

 よく知られた話であるが、プライシング次第で事業の売上や利益は大きく変わってくる。それは新規事業においても同様だが、特に自社のみならず世の中にとっても新しい製品やサービスが対象となる場合、何を基準に「妥当な」価格設定を行えばよいだろうか? 

 本稿では、「顧客の受容性、経済合理性」「自社の収益性」「時系列の戦略ストーリーとの整合」といった観点から、新規事業のプライシングにおいて考慮すべきポイントを論じる

1、価格に対する顧客の受容性、経済合理性を把握する

 プライシングの大前提として、顧客がどの程度支払う意欲があるか、すなわち顧客の受容性を把握する必要がある。世の中に類似の製品やサービスがない事業の場合、顧客自身が類似ソリューションと直接比較することは難しい。

 代わりに、当該製品やサービスによって顧客にもたらされる経済的メリットを想定し、それよりもリーズナブルな価格設定を行うことで、顧客にとっての経済合理性を担保する、という考え方が1つある。

 例えば、顧客の作業負荷を軽減する/オペレーション改善につながるようなソリューションであれば、「当該ソリューションにより顧客の工数がどの程度削減できるか」「金額換算すると、顧客は工数あたりどの程度のコストをかけているか」をひもとけばよい。

 また、BtoBを中心として顧客の売上拡大に資するようなソリューションの場合は、どの程度の売上拡大が見込めるかを見積もり、顧客が損しないような価格設定とすべきである。

 あるいは、新規事業として成立する、すなわちアーリーアダプターとなる顧客が切実なニーズを抱えるソリューションであれば、顧客は足元で何等か代替策を講じているはずである。「その代替策に顧客はどの程度お金をかけているか」「提案したいソリューションは代替策に比べて何が優れているか」「顧客はその付加価値に対し、どの程度上乗せして支払ってくれそうか」という観点もヒントになるであろう。

 上記のような考え方で初期的に価格設定をした上で、次節で述べる自社にとっての収益性が担保されるか確かめ、その結果として導出した価格案について、実証実験(PoC)を通じて実際の顧客の受容度を検証していくとよいだろう。

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最終更新:2019/12/4(水) 10:24
ITmedia ビジネスオンライン

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