シュートボクシング(SB)の2年に一度のビッグイベント「GROUND ZERO TOKYO 2019」が12月3日、東京・水道橋の東京ドームシティーホールで開催された。
この大会は各団体や世界から王者クラスの強豪を招聘し、シュートボクサーたちと強さを競い合うことをコンセプトに持つ、SBにとっては「S-cup」と並ぶ大きなもの。今大会も王者と元王者合わせて6人が参戦した。
セミファイナルにはWPMF世界スーパーフェザー級王者で“居合パンチャー”の異名を持つ町田光が二度目のSB参戦。SB日本ライト級王者の西岡蓮太と対戦し、3-0の判定で勝利を収めた。
町田は前回の参戦では元SB日本スーパーフェザー級王者の村田聖明と対戦し、見事なバックドロップを決め判定勝ち。今回対戦する西岡は村田と日本ライト級王座を争った末、ベルトを巻いている。
前日会見でも「明日は投げられるチャンスがあれば、どんどん投げにいく」と宣言し、「関節技も狙っていく」とまで宣言した町田に対し、「シュートボクサーの強さを見せる」と話した西岡。
通常、キックボクサーがSBに参戦した時は打撃を軸に試合を組み立て、投げや関節技については防御に回るケースが多いのだが、この日はシュートボクサーとキックボクサーの立場が逆転したような展開となった。
西岡は1Rからロー、左ミドル、左のボディーブローと打撃で勝負に出る。町田も左ミドルで反撃するが、距離が詰まるとすぐに組み付き投げを狙っていく。
西岡は町田のバックドロップを警戒し、バックは取らせない。町田は足をかけて崩しに行くがこれではポイントにはならない。
2R以降も打撃ではむしろ西岡が優勢に試合を進めていく。的確にボディーブローを当てていくのだが、町田がすぐに組み付くためなかなかパンチを畳み掛けることができない。
町田は組んでも投げられないとみるやヒザ蹴りを出すなどクレバーな戦いを見せる。居合パンチこそなかなか出せないものの、要所では打撃で反撃し、西岡に一方的には攻めさせない。それでいて、一瞬のスキを突いては組み付きバックを狙う動きを見せ、西岡を揺さぶっていく。
3Rに入っても組み付いては横に投げてしまうなどなかなかポイントを得るに至らない展開にレフェリーが「低い投げはシュートポイントにならない」と町田に注意。しかしその直後に町田が組み付き、ついにバックを取り切るとすかさずきれいなジャーマンで投げ切りシュートポイント2を獲得。
残り時間はもうわずか。西岡は逆に投げを狙うが無情のゴング。
このジャーマンが決め手となりジャッジ3者とも30-28で町田を支持。町田がSBの王座クラスに2連勝を飾った。
最終更新:12/4(水) 3:39
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