ここから本文です

老後資金2000万円問題。年金は本当に100年破綻しないのか?

2019/12/4(水) 17:50配信

ファイナンシャルフィールド

老後資金2000万円問題が国会で審議されたとき、安倍晋三首相は「年金100年安心」と答弁しました。本当に年金は100年破綻しないのでしょうか? その答弁の根拠となったのが、マクロ経済スライドです。その仕組みを簡単に解説したいと思います。

マクロ経済スライドとは?

マクロ経済スライドとは、厚生労働省のHPによると、「『社会全体の公的年金制度を支える力(現役世代の人数)の変化』と『平均余命の伸びに伴う給付費の増加』というマクロでみた給付と負担の変動に応じて、給付水準を自動的に調整する仕組み」と説明されています。

こう言われてもよく分からないかもしれませんが、現在の年金は賦課方式で世代間扶養ですから、お金を稼いでいる現役世代が、すでに引退した老齢世代に給付される年金を支える仕組みになっています。

現在の日本における問題は、少子高齢化により年金を支える現役世代が徐々に減少し、年金を支える資金が先細りになっていく一方で、支えられる立場の老齢世代が増加して年金給付額が増加しているのです。このアンバランスを解消しようとする仕組みが、マクロ経済スライドです。

物価や賃金が上昇したときは?

本来、年金給付額は物価や賃金の上昇に伴って上がっていかなければなりません。ところがマクロ経済スライドの仕組みは、物価や賃金が上昇した場合でも、その上昇率の全てを年金の給付額に反映せず、一部を差し引いて、将来の年金給付額の原資とするものです。

式で表すと次のようになります。

年金給付額=前年の年金給付額×(物価または賃金の上昇率-マクロ経済スライドによる調整率)

マクロ経済スライドによる調整率=「公的年金全体の被保険者の減少率の実績」+「平均余命の伸びを勘案した一定率」

ですから、マクロ経済スライドは、物価・賃金の上昇率から、年金保険料を支払う現役世代の減少率と平均寿命の伸びに相当する比率を引くという仕組みということになります。

物価や賃金が下落したときは?

物価や賃金が下落したときは、実際の賃金の下落率に従い、年金給付額も減少します。この場合は、調整率を引くことまではしません。

1/2ページ

最終更新:2019/12/4(水) 17:50
ファイナンシャルフィールド

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事