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ネットスーパーの収益モデル確立なるか イオンは事業の仕組み再構築も

2019/12/4(水) 20:02配信

日本食糧新聞

国内のネットスーパー市場は、その潜在性を認められながらも収益モデルを確立できた事例はなく、先行例の中には売上げが頭打ちの状況も見られる。イオンは事業拡大に向けた課題を克服するため、英国のネットスーパー専業「オカド」と提携、現状で数百億円規模の事業を刷新し、2030年に売上高6000億円を目指す。2023年に新たな専用センターを首都圏に開設、グループ各社の店舗網も活用し事業の仕組みを再構築する。

日本国内ではイオンやセブン&アイグループなど多くのチェーンストアがネットスーパーに参入しているが、収益モデルを確立したところはなく、数値を公表しているイトーヨーカ堂も2018年度の売上げは426億円(3.7%減)と頭打ちだ。

それでも市場の潜在性は高いとみて、EC(電子商取引)専業との事業提携も続いている。西友と楽天、イトーヨーカ堂とアスクル、ライフコーポレーションとアマゾンなどは主な例だが、イトーヨーカ堂とアスクルは共同事業の「IYフレッシュ」を11月末で終了しており、業界全体で試行錯誤の段階を抜け出せていない。

オカドは店舗出荷型の限界を指摘、人工知能(AI)やロボットを活用したセンター出荷型の仕組みで成長し、リテール事業の売上高は2018年度で2000億円を超える。英国で培ったノウハウをソリューション事業として海外展開し、米国のスーパー大手、クローガーも提携先になっている。ただ、海外での取組みは緒に就いたところだ。

日本国内では2014年に終了したサミットネットスーパーがセンター出荷型のみで運営していた。またイトーヨーカ堂や、西友と楽天の共同事業はセンター出荷型と店舗出荷型を組み合わせて運営している。

専用センターを開設・維持するハードルは高く、国内で広がり続けているのは店舗出荷型の方だ。ライフコーポレーションは約60店にネットスーパーを導入、既存店の補完機能と位置付けている。アマゾンとの提携サービスも拠点は店舗だ。

生鮮の宅配は物流の制約が厳しく、専用センターだけでカバーできるエリアは限られる。イオンが専用センターを設立するまでには時間があるほか、その後も活用する予定のリアル店舗の拠点をどのように再構築するかは重要だ。

6000億円という従来のネットスーパーとは桁違いの売上げを達成するには、専用センターの先進性だけでなく、各地の店舗網と宅配までの総合的な革新が必要になる。その一環で、イオンは注文した顧客が店頭で受け取る仕組みの普及も目指すとしている。

日本食糧新聞社

最終更新:2019/12/4(水) 20:02
日本食糧新聞

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