ここから本文です

朝倉さや「歩いてきた全てが今に繋がっている」“伝説生物”たちとの旅に幕:レポート

2019/12/4(水) 18:03配信

MusicVoice

 シンガーソングライターの朝倉さやが12月1日に、東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホールでワンマンライブ『朝倉さや コンサートツアー 2019「でででっ 伝説生物たちの大行進!!」』のファイナル公演をおこなった。ツアーは6月29日の山形 東北芸術工科大学 水上能楽堂からスタートし、全国11公演をおこなうというもの。ライブは「Flower Shade Marching Song」や「東京」などバラエティに富んだ構成で18曲を披露。さらに4月にユニバーサルミュージックからメジャーデビューすることもサプライズ発表された。そのライブの模様を以下にレポートする。【取材=村上順一】

■民謡からジブリまで幅広い音楽性

 開演時刻になり幻想的なSEに導かれ、サポートメンバーに続いて朝倉さやがステージに登場。スタンバイが完了し「River Boat Song」でツアーファイナルの幕は開けた。Future Traxという民謡をモダンなアレンジにし届けるスタイルで、民謡の持つ叙情的なメロディの雰囲気を壊さずに、現代の響きをプラスするというアグレッシブな試み。「River Boat Song」の持つスケール感の大きさ感じながら、“朝倉ワールド”にグッと引き込まれていく。

 続いて、会場から手拍子が巻き起こった「紅花摘み唄」のFuture Trax「Flower Picking Song」では、ステージを動きながらリズミカルに歌い上げると、朝倉はここから山形弁の世界へ誘うと話、岩崎良美のカバーで「タッチ」を披露。歌詞を山形弁に変換し、また一風変わった雰囲気の「タッチ」で楽しませた。

 知ってる曲でも山形弁で歌うと英語に聞こえる、と言われたことをきっかけに制作された「アリャセヘイヤ~」を歌唱。サビでのコール&レスポンス、間奏では朝倉によるハーモニカとバイオリンの島内晶子との掛け合いも印象的で、サビでは観客も腕をリズムに合わせて、左右に振り上げる美しい光景も見られた。

 何度か訪れた静岡に魅了されて生まれた曲「だもんでレボリューション」。朝倉はステージを降りて、観客と一緒に<ラララ>とコーラスを合唱。その多幸感溢れる空間は前半戦のハイライトだった。メンバー紹介を経てファンキーな「シャルロットの舞踏会」へ。サングラスを着用し、バンドの繰り出すグルーヴィな演奏に乗って力強い歌声を届け、そしてもう1曲「選択期」を堂々と歌い上げ、朝倉はバンドメンバーを残し、ステージを後にした。

 バンドメンバーによるインストを挟み、ジブリアニメ『紅の豚』に登場するマダム・ジーナに影響されたという、エレガントな黒い帽子を被った朝倉さやことサーヤが登場。ステージ後方にはスクリーンが登場し、楽曲の雰囲気に合わせたシチュエーションを作り出していた。山岡恭子のピアノとsolayaのギターで「もののけ姫」と『紅の豚』のエンディング曲「時には昔の話を」の2曲を透明感ある歌声で魅了。

 ここで、リハーサル前に食べたお弁当の話で盛り上がったところで、愉快な曲を届けたいと「となりのトトロ」を歌唱。民謡の節回しは使わず、ストレートな歌唱法で清涼感のある歌声で聴かせ、続いてはタンバリンを使用し、ノリノリなビートに乗って「カントリーロード」を披露。観客も軽快な手拍子で楽曲を盛り立て、一体感のある空間を作り上げた。

 続いては「Future Traxの世界へ」と投げかけ、山形民謡の「花笠音頭」をロックアレンジにした「Flower Shade Marching Song」を演奏。モダンなトラックにエナジー漲る歌で、「花笠音頭」の新たな可能性を提示。さらに北海道民謡から「ソーラン節 Future Trax」をクロスオーバー風のアレンジで、新たなソウルを感じさせ、観客のテンションも上がっていく。

■前向きになる良い時間だったと思ってもらえるようなライブに

 朝倉は「ステージ一つひとつが全部が大切。前向きになる良い時間だったと思ってもらえるようなライブになったらいいなと、2013年からトコトコと歩いてきました。6周年を迎えました。まだ終わりじゃないのに涙が...。今本当に歌うこと音楽が楽しくて、歩いてきた全てが今に繋がっていて、みんなのおかげだと思っています。本当に温かい気持ちをもらいながらやってきました」。

 「『東京』という曲でCDデビューさせていただいたんですけど、嬉しかった気持ちや頑張っていこうと思っていた新鮮な気持ちを、なぜ鮮明に覚えているのかなと思ったら、この曲がその時に思っていたことを、真っ直ぐな気持ちを綴っているから、この曲がある限り忘れないんだなと思いました。これまでも大切でしたが、これからも大切な曲だと思っています」とCDデビュー曲となった「東京」を披露。朝日と夕日が入り混じったかのようなライティングが視覚的にも、楽曲の世界観を後押しし、朝倉のエモーショナルな歌声に包まれるようだった。

 このツアーのサブタイトル、テーマが「旅をしよう」だと話し、「みんなと旅ができて嬉しかったです。旅をすると気づかなかったことに気づくことができたり不思議だなと思います。あなたはしっかりここにいて、歩んできたことは確かなことで、命がある限り心配しなくても旅は続くよ、身を任せてごらん、とそばにいてくれるような曲があったらと思って作った曲です」。

 さらに続けて「日本の音楽だけではなく世界を感じられる、言葉として聞き取れないものも入っているけど、それが人生、旅にも似ている。生きていると訪れる感覚がこの1曲にちゃんと表現できた」と、初披露の新曲「Agrimony~旅さあべ~」を本編のラストに届けた。幻想的なサウンドに、朝倉のみずみずしい凛とした歌声がシナジーを生み出していた。

 アンコールに応え、再びステージに朝倉とバンドメンバーが登場。我々は共に旅をするのです。覚悟は出来ていますか」と投げかけ、全員スタンドアップで振り付けをレクチャー。届けられたのは山形民謡の「酒田甚句 Future Trax」。終始身体を動かしながら、エンディングでは、朝倉も客席に降り、一緒に振り付けを楽しんだ。「皆さんのおかげでこの曲は伝説化しました!」と感謝を伝えた。

 「色んな曲を作らせていただきましたが、数年経ってから『作って良かったな』と思う曲がいくつかあります」と話し、その中の1曲が朝倉が上京して3年目で書いた「さばの味噌煮」。今宵の「さばの味噌煮」は9年目の朝倉が歌うということで、「味がしみしみです。この曲を楽しんでもらいたいという気持ちです」と、「さばの味噌煮」を情感込め丁寧にホールの隅々まで響かせた。

 solayaから1枚の手紙を受け取る朝倉は「数年前にこんなのあったな、怖い…」と不安そうに恐る恐る手紙を読み上げると、冒頭には宇宙最速、今世紀最大の大発表がありますと書かれており、深呼吸で一旦落ち着いてから、朝倉も「えっマジ!」と目を疑うような表情で、4月にユニバーサルミュージックからアルバムでメジャーデビューすることを発表。サプライズに驚きを隠せないなか、観客からデビューを祝福する大きな拍手と歓声が上がった。

 さらに、4月19日に横浜ランドマークホールでコンサートをおこなうことを発表し、興奮冷めやらない朝倉は「もう一曲歌います!」と宣言。「朝倉さやらしい道を進めるように独進します」と、客席の真ん中で「花笠音頭」を生声で歌い上げ、<ヤッショ マカショ♪>の掛け声でツアーは大団円を迎えた。

■セットリスト

『朝倉さや コンサートツアー 2019「でででっ 伝説生物たちの大行進!!」』
12月1日@東京・渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール

01.River Boat Song
02.Flower Picking Song
03.タッチ
04.アリャセヘイヤ~
05.だもんでレボリューション
06.シャルロットの舞踏会
07.選択期
08.もののけ姫
09.時には昔の話を
10.となりのトトロ
11.カントリーロード
12.Flower Shade Marching Song
13.ソーラン節 Future Trax
14.東京
15.Agrimony~旅さあべ~

ENCORE

EN1.酒田甚句 Future Trax
EN2.さばの味噌煮
EN3.花笠音頭

最終更新:2019/12/4(水) 18:03
MusicVoice

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事