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バッテリー・半導体・航空業界、中国への人材流出が深刻

2019/12/4(水) 8:18配信

ハンギョレ新聞

貿易協会「中国、人材のブラックホール」報告書発行 バッテリー企業、年俸3倍提示、半導体企業「サムスン・ハイニックス経歴者優待」採用条件明示 同じ業界への再就職禁止を回避するため、子会社などで雇用する手口も

 バッテリー・半導体など主要技術分野の人材の中国への流出が深刻なことが分かった。人材流出を防ぐためには政府の対策が必要だとの指摘が業界から出ている。

 3日、韓国貿易協会が出した「中国、人材のブラックホール-中国への人材流出分析」報告書によれば、昨年韓国の“頭脳流出指数”は、10点満点の4.00点で、調査国63カ国中で43位を記録した。韓国は調査を始めた2014年以来、ずっと40位圏に留まっている。“頭脳流出指数”は、スイス経営開発大学院が開発した測定ツールで、10点満点で点数が低いほど国外流出程度が激しいことを示す。2018年基準で、米国(6位)、ドイツ(9位)、香港(12位)など主要技術先進国は高い順位を占めた。

 報告書は、人材流出の相当数が流れている中国側の韓国人材誘致努力が“奪取”のレベルであり深刻だと分析している。中国政府は、2015年から産業高度化推進戦略の「中国製造2025」を推進し、海外の優秀人材誘致に積極的に乗り出していて、中国企業側も破格な福祉恩恵を提示して韓国人材を集中誘致している。

 報告書は、人材流出が深刻な代表的業種として、バッテリー、半導体、航空を挙げた。現在、世界市場の成長速度が速く多くの企業が未来の収益の柱に育てているバッテリー業界の場合、世界1位企業の中国CATLが7月に大規模採用をする中で、部長級責任者の場合には手取り3億ウォン(約2800万円)程度の高い年俸を提示した。中国の代表的電気自動車メーカーのBYDは、2017年には年俸の他に成果給、自動車、宿舎提供などを条件として提示し、韓国のバッテリー人材を採用した。中国最大の不動産グループ「恒大」は、今年初め新エネルギー車企業を作り、8千人余りのグローバル人材を採用したが、韓国、日本、ドイツなど自動車強国の出身経歴者を優待すると明らかにした。

 報告書は「グローバル市場進出を本格化した中国のバッテリー企業らが、人材確保に総力を挙げ、韓国人材がターゲットになっている」として「特に核心技術の侵害および人材流出論議で法的攻防を行っているLG化学とSKイノベーションの混乱をチャンスとみて、競争力が高い韓国の専門人材を狙っている」と指摘した。半導体業種では、福建晋華(JHICC)が今年4月、人材採用公告を出し「10年以上サムスン電子、SKハイニックスでエンジニアとして勤めた経歴者優待」を明示した。人材引き抜きを露骨にしていることが明らかになった。この他にも、パイロットなど国外への人材流出が最初に始まった航空業界は、2014年から今年7月までに韓国から460人余りの操縦士が外国の航空会社に離職したが、このうち少なくとも367人(80%)は中国の航空会社に行ったと集計された。特に「中国企業らは、同種企業への再就職禁止条項などを回避するために、投資会社や子会社が雇用する形式で韓国人材を迎え入れており、半導体人材の流出は統計的に把握することさえできなくなっている」と報告書は指摘した。

 報告書は「バッテリーと半導体産業の高級人材流出は、技術競争力の弱化を招き、航空産業は安全性阻害、新規路線の開拓困難などの問題点を発生させうる」として「人材流出防止と人材誘致に対する長期的な政策支援が必要だ」と提案した。

キム・ウンヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/12/4(水) 8:18
ハンギョレ新聞

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