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日本、軍艦島ユネスコ報告書から「朝鮮人強制労働」全削除

2019/12/4(水) 7:47配信

ハンギョレ新聞

登録当時は「強制労役」認めたが 第2次報告書では言及自体なし 政府「日本が報告書を一方的に作成」遺憾表明

 日本政府がユネスコ世界遺産に登録した「明治日本の産業革命遺産」の2度目の後続措置履行経過報告書にも、朝鮮人強制労働や犠牲者を追悼するための措置が記されていないことが分かった。日本が2015年にユネスコに登録した「明治日本の産業革命遺産」は、朝鮮人の強制労働で悪名高い長崎県端島(別名、軍艦島)を含め、日本国内の23カ所の炭鉱・製鉄所などを対象としている。

 2日(現地時間)にユネスコ世界遺産センターのウェブサイトに公開された「明治日本の産業革命遺産」についての経過報告書の性格を有する『保全状況報告書』を見ても、朝鮮人強制労働被害に対する言及はない。日本政府代表は2015年の世界遺産登録当時の審議で「(端島などの一部の産業施設で)1940年代に朝鮮人などが『自分の意志に反して』動員され、『強制労役』したことがあった。犠牲者を追悼するため、情報センター設置などの措置を取る」と明らかにしている。

 しかし、2017年に提出した保全状況報告書には強制労働などの用語は使用せず、むしろ「朝鮮半島出身者が、日本の産業現場を支えたということを理解できるように展示する」と表現を変えた。これに対しユネスコが昨年7月のバーレーン会議で以前の勧告を想起させつつ、歴史解釈全般において国際モデルを参考にするよう勧告すると、今度は朝鮮人強制労働被害者についての言及そのものを削除してしまった。関連展示施設を訪問した人たちに対して、その施設がどんな価値を持ち、どんな意味が込められているのかを伝える「解釈戦略」については、2017年の報告書で言及したとして言及を回避した。

 日本政府は2017年の保全状況報告書で、端島から980キロ離れた東京に情報センターを設置すると発表し、朝鮮人強制動員被害者問題を回避しようとしていると批判された。今回の報告書では、情報センターを本会計年度内に東京新宿区若松に設置すると発表したが、具体的にどのような内容を展示するのかは公開しなかった。

 ユネスコが当事者間の対話を求めたことに対しては、「関係部署、地方自治体、遺産所有者と管理者、日本内外の専門家、地域社会などの広範囲な当事者と定期的な対話を進めている」と答えるにとどまった。当事国である韓国政府との対話の努力に対する言及はない。これにより、「明治日本の産業革命遺産」は朝鮮人強制労働被害者の歴史は消されたまま、日本の産業革命成功の歴史を誇示する場としてのみ宣伝されるものとみられる。

 今回の調査報告書が出る前から懸念はあった。「明治日本の産業革命遺産」に関し、日本政府が調査研究を任せた団体である「産業遺産国民会議」が、朝鮮人強制労働を否定したり薄めたりする内容の独自の報告書を作成し続けてきたことが明らかになっているからだ。

 韓国政府は外交部報道官の論評を発表し、遺憾を表明した。政府はこの日の論評で、「世界遺産委員会が当事国間の対話を勧告したにもかかわらず、日本政府は主要当事国である韓国の持続的な対話要請に応じず、一方的に報告書を作成し提出したことに対して失望を禁じ得ない」と指摘した。外交部当局者は「履行報告書を担当する世界遺産センターに日本政府が約束を守っていない部分を直接問題提起し、世界遺産委員会などの多国間会議を通じても履行を求めていく」と述べた。

東京/チョ・ギウォン特派員、キム・ソヨン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

最終更新:2019/12/4(水) 7:47
ハンギョレ新聞

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