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「高校で学び保障できぬ」 沖縄県、重度知的障がい者の入学拒む 大阪府は受け入れ

2019/12/4(水) 8:40配信

沖縄タイムス

 重度知的障がいがあり、来春3度目の沖縄県の県立高校受験に臨む仲村伊織さん(16)=北中城村=に対し、県教育庁は3日までに「高校では重度知的障がいの生徒の特性に応じた教育課程を提供できない」と受け入れを拒む見解を示した。

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 学校教育法の規定などを根拠にしているが、県外では仲村さんより障がいの重い生徒が入学・卒業する事例がある。識者は「都合の良い法令の羅列から導き出した結論は恣意(しい)的」「障がい者の権利侵害だ」と批判する。

 同庁が沖縄タイムスなどに配布した「教育委員会の考え方」によると、同法や文部科学省の通知を引用しながら、高校は(1)小中学校と異なり、特別な教育課程の編成ができない(2)一部の授業で障がいに応じた特別な指導をする通級指導も知的障がい者は対象にならない-としている。半嶺満教育指導統括監らは「高校では学びの保障ができない。特別支援学校の教育の枠組みで、高校生と交流の機会が持てないかを検討している」と理解を求めた。

 障がいの有無にかかわらず共に学ぶインクルーシブ教育に詳しい大阪経済法科大学の一木玲子客員研究員は「法令の上にある憲法の教育を受ける権利を保障するために努力すべき立場でありながら、建設的な検討なく学びを保障できないと結論付けるのは本末転倒。本人と保護者が望まない特支学校への入学を了承なしに検討していることも権限を越えている」と批判する。

 大阪府は定員に空きがあっても不合格となる「定員内不合格」を出さない方針で、府立高校で重度知的障がいの生徒も受け入れている。サポートを得ながら一斉授業を受けたり、同じ教室で違う課題をこなしたりしている。

 県教育庁は対応について「特性に応じて支援員が付いたらできるなどの判断をしているのだろうが、沖縄は現制度では厳しいと考える」と説明する。

 一木さんは「全国の高校では約30年前から、工夫を凝らして実践しているが、沖縄はこれらの事例を法令違反と捉えているのか。先駆的な取り組みから学び、挑戦しようとする姿勢が見られない」と話した。(社会部・嘉数よしの)

最終更新:2019/12/4(水) 10:40
沖縄タイムス

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