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【古谷剛彦・こちら日高支局です】競走馬市場をテーマに熱いディスカッション

12/4(水) 7:00配信

スポーツ報知

 全国の軽種馬青年部で組織される日本軽種馬青年部連絡協議会は11月26日に、札幌市内のホテルで第29回定期総会を開催した。

 総会後、例年なら著名人による講習会が行われるが、今年はパネリストを招いて日本の競走馬市場をテーマに、ディスカッション方式で実施された。パネリストは、清水大さん(社台コーポレーション早来ファーム育成主任)、今村明浩さん(ヒポファイル・ブラッドストック代表取締役)、岡田義広さん(ウイン代表取締役)、藤沢亮輔さん(エバグリーンセールスコンサインメント)の4人で、購買者、販売者それぞれの立場で活発な意見が交わされ、約70人の参加者は真剣に耳を傾けていた。

 先週の当欄で今年の北海道市場を総括したが、3年連続で100億円を突破。そして、ワールドワイドな市場となったセレクトセールは、2日間で205億円の売却総額を誇り、売却率は91・4%といずれもレコードを記録した。このように、近年の競走馬市場は右肩上がりの成績を収めている。ただ、課題は決して少なくなく、北海道市場は上場頭数の増加と日程に苦慮し、試行錯誤を繰り返している。そんななか、昨年のサマープレミアム、今年のセプテンバーセールの話題になった時は、海外や選抜市場に絡めて熱い議論になった。

 「海外はジュライからセプテンバーが主流になっているなか、今年の北海道のセプテンバーは、サマーとオータムの中間に過ぎない印象が強かった」

 「セプテンバーの上場馬を見て、5月生まれが圧倒的に多くて驚いた。本来は馬が最も見栄えのする時期であり、セプテンバーに流れを向けるには、プレミアム的なセールは9月に行う方が理想」

 「札幌競馬場での開催は、セレクトセール以上に立地条件も良く、日高の人たちが自信を持っている馬を札幌で勝負する上で、選抜市場はありだと思う」

 「今では当歳市場はセレクトしかないので、遅生まれの当歳馬はかなりリスクを背負いながら上場させている生産者もいる。以前の日高の当歳市場と違い、今なら需要はあると感じるので、当歳市場を復活させるのも考えて良いのではないか」

 それ以外にも、建設的な意見がたくさん出ていた。私自身も、札幌開催を実現させる上で、遠方から輸送するリスクを考えれば、選抜市場として実施するのがベストだと思う。また、当歳市場は、離乳を終えた成長急な時期のセールは大変意義があると思っているし、以前のような売却率2割ということはないと思っている。

 セレクトセールの第1回は、当歳と1歳の双方でスタートしたが、サンデーサイレンス産駒が全盛の状況ながら、1歳セッションは売却率38・3%と奮わず、99年から05年まで当歳のみで実施された。この時代を運営面で知る清水さんは「当時は1歳のニーズがなかったんですが、そのニーズを探っていた中で、1歳市場の復活を英断したと思います。もちろん、1歳市場を行うと決めるには、その前に馬を取っておく必要もあるので、購買者のニーズをくみ取り、一歩先を見据えて動くことが大切だと思います。僕の感覚では、当初は当歳の血統レベルが上だったと思いますが、今や1歳の方が血統レベルは上がったと思います」と当時を振り返っていた。

 新しいことを行おうとすれば、賛否の声は必ず起こる。その時、今村さんは「生産者の方には、保守的な方も少なくないと思います。札幌まで持っていって売れなかったらどうするんだ、という意見もあるのは理解します。。馬づくりに限らず、行動の後には結果と学びがあると思いますし、一番の失敗は何もしないこと、というのが僕のポリシーです。やるっていうことを前提で話し合わなければ、前に進まないと思います。札幌での市場開催は、一つの魅力的なセールを提供できる要因になると思います。また、当歳市場も、海外では繁殖セールとミックスで行います。その点でも、生産者にメリットがあるような形で復活することを選択肢の一つとして、前向きに検討するのも良いのではないかと感じています」と話していたのが印象的だった。

 生産者の方々も「まだ続きを聞きたいぐらい」と反響も多かった。本来は休憩時間が設けられていたようだが、その時間がなくなるほど、約2時間、大変意義のあるディスカッションが展開された。(競馬ライター)

報知新聞社

最終更新:12/4(水) 10:01
スポーツ報知

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