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【巨人】阿部2軍監督“日本一の卵”見つけた 19歳・黒田響生「坂本より上」

12/4(水) 6:00配信

スポーツ報知

 【台中(台湾)3日=尾形圭亮】巨人の阿部慎之助2軍監督(40)が、ウィンターリーグに参加中の黒田響生(ひびき)内野手(19)を大絶賛した。黒田は高卒1年目を終えたばかりで、背番号は3ケタの育成選手。それでも同監督は「勇人(坂本)の19歳の頃よりもポテンシャル、技術は上」と、若き日の主将を引き合いに能力の高さを評価した。「期待の若手はいない」と断言していたが、ついに原石1号を発見した。

【写真】坂本勇人のプロ初安打、初打点シーン(07年9月6日)

 思わず身を乗り出した。サングラスの奥で、阿部2軍監督の目はギラリと光った。「勇人の19歳の頃よりもポテンシャル、技術は上かな。よくあんな順番(育成4位)まで残っていたなというくらい、いい選手だと思う。ここからアピールしていってほしいし、何とか鍛えたい」。バックネット裏から見つめる先にいたのは、1年目の育成内野手・黒田だ。6回守備から途中出場。1打席目となった7回1死で、相手右腕の初球外角球を鮮やかに右前へ運んだ。

 秋季練習から既に黒田の潜在能力に目をつけていた。勇人と同じ右打ちの大型遊撃手でリストの柔らかさや懐の深さがあり、マネしてできる芸当ではない。タイミングの取り方やパンチ力も非凡。“同じにおい”を感じとっていた。あえて厳しい練習を課して期待していたが、この日、確信となったのだろう。「ああやって途中から出ていって、簡単にパーンと打てるところがいい。あれは『センス』ということに尽きるんじゃないかな」。今回のウィンターリーグ視察の目的は、若い選手たちが実戦の中でどういうプレーをするのか把握すること。先日「期待の若手はいない」と厳しく奮起を求めていたが、黒田はそんな鬼軍曹のお眼鏡にかなったということだ。

 坂本勇といえば、当時18歳で臨んだ07年9月6日の中日戦(ナゴヤD)が衝撃的だった。延長12回に代打でプロ初安打初打点を挙げ、これが決勝点。「(延長で選手を使い切り)残ってた勇人が出ていって決めてきた。『コイツは何か持ってるヤツだな』と思った」と慎之助監督。この一打に可能性を感じ、翌年からグアム自主トレに帯同させて鍛え始めたが、黒田の一撃にもハートをわしづかみにされた。

 もちろん、ここから先の努力が全てを左右する。阿部2軍監督は「俺がいくらアドバイスしたって、生かすも殺すも自分次第。ワンチャンスをものにするための準備ができるかどうか。勇人は『持ってる』だけじゃなくて、そういう準備ができていたから、巡ってきたああいうチャンスで結果を出せたんだと思う」と力説した。黒田も「このウィンターリーグでの経験を来季につなげないといけない。『絶対に支配下になる』という気持ちでやります」と頼もしかった。体の線はまだまだ細い19歳。伸びしろはたくさんある。ついに見つけた原石はこの先、どれだけ強烈な輝きを放つか。

 ◆何でも聞いてやる

 育成だからこそ聞きに行かないと―、盗まないと―。まず支配下を勝ち取るため、何でも貪欲に吸収しようとする姿勢が人一倍強い選手だ。コーチ、先輩、同期問わず、疑問があればすぐに聞きに行く。日頃から広い視野を持って生活しているのだろう。

 3月23日に行われたロッテとのオープン戦(東京D)を観戦し、黒田は坂本勇のベンチでのしぐさを見逃さなかった。「打撃の時に使用する滑り止めを、守備の際に手袋に吹きつけていた」。実際に試してみると、グラブに手がより吸い付く感じがして、手とグラブが一体化。ルーチンにした。

 昨年のドラフトで球団最下位指名ながら、今季は2軍戦42試合に出場。だが、打撃に課題を残して3軍と行き来する日々。「構えたときの腕が固まった状態から出すとスムーズにバットが出なかった。動かしながらタイミングを取ろう」と修正を図った。

 その後、年に一度行われる東京Dでの2軍戦で公式戦初本塁打を放ち、打撃での成長をアピール。今オフは西武・源田に自主トレ同行を志願するなど、積極的に動いている。近い将来、憧れの坂本勇の後継者として大成する素質、可能性は十分にある。(巨人ファーム担当・河原崎 功治)

 ◆黒田 響生(くろだ・ひびき)2000年7月21日生まれ、福井市出身。19歳。中学3年時に鯖江ボーイズで全国大会優勝。敦賀気比高では1年春からレギュラー。3年夏の甲子園出場。高校通算10本塁打。18年の育成ドラフト4位で巨人に入団。1年目の今季は2軍で42試合に出場して打率1割7分2厘、1本塁打、9打点。184センチ、75キロ。右投右打。

報知新聞社

最終更新:12/4(水) 15:26
スポーツ報知

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