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IT化で激変「渋谷区役所」がスゴい。ビジネスチャットで「言った言わないをなくす」

2019/12/5(木) 12:10配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

「お役所仕事」と言えば、政府や地方公共団体の「非効率な仕事やり方」を象徴する言葉。どちらかと言うと、悪い意味の比喩として使われている。だが、近い将来、それが大きく変わるかもしれない。

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東京23区の1つ渋谷区はそうした「お役所仕事」のあり方を根本から変える取り組みを進めている。民間に敷地の一部を定期借地として提供することで、「建設費ゼロ」が話題となった新区庁舎では、職員一人一人にモバイルタブレットを配布して地方公共団体としては珍しいフリーデスク、フリーアドレスを実現しているという。

澤田伸副区長は、手書きできるペンタブレットの分野で世界トップシェアのワコムが開催した「ConnectedInk 2019」の基調講演に登壇し、同区のITを活用した取り組みについて説明した。澤田氏は広告会社出身。民間では当たり前の考え方を区政に取り入れている。

「お役所仕事」の文書管理もデジタル化へ

ConnectedInk 2019の講演では、とてもお役所のナンバーツーとは思えない、刺激的なメッセージを打ち出していた。

そもそもこの講演は、渋谷区で書類などを申請するデバイスにワコムのペンが利用されているという縁で決まったそうだが、ステージではワコムにちょっと触れただけ。当初の予定を遙かにオーバーする25分間、ほとんどノンストップで渋谷区の「ビジョン」を熱弁した。

筆者が最も感心したのは「渋谷区では区庁舎には誰も来ない、来庁者ゼロを目指している。誰も来ないことがハッピー」だという考え方。区庁舎に区民が足を運ばなくても区のサービスを享受できる仕組みを目指すという意味だ。

例えば、冒頭の「お役所仕事」の最たる例としては、公的書類の交付がある。書類の交付をしてもらいに行ったら、「判子が押してない」だの、記入箇所が誤っているだの、民間にいる側からすると「この場でなんとかならないのか」という不満を感じながら申請書を突き返された経験をした人もいるだろう。

もちろん行政の側にとっては必要な手続きだということも理解するが、そういう経験が結局「お役所仕事」という言葉を生んでいる側面があることは否定できないだろう。

「渋谷区では人が本来やるべき事に専念できる仕事場を目指している。そのため、文書のデジタル化を進めている。将来的には区役所に来なくても文書が交付できる仕組みを作っていきたい」(澤田氏)

区民が望んでいる業務課題を可視化するために、渋谷区ではBI(Business Intelligence)ツールを活用している。BIツールをスマートフォンにインストールして、職員がいつでも業務課題を見つけて対処方法を考えていく仕組みを整えているという。

文書の電子化はその一環だ。すでに公文書の決裁は100%電子化しており、今後も公文書の電子化を進めていく、と澤田氏は説明した。

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最終更新:2019/12/6(金) 0:01
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