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「育児休業」を経験したパパたちは言う「小泉進次郎さん、ぜひ育休を!」

2019/12/5(木) 16:00配信

婦人公論.jp

日本では一般的とはいえない男性の「育児休業」(育休)。小泉進次郎議員が、滝川クリステルさんとの結婚発表後、自身の育休について「考えている」と答えて注目された。ところが環境大臣となり、見送るという報道もあって…実際に育児休業を取得した男性たちに実態を聞いた(取材・文=樋田敦子)

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◆会議室で罵倒。申請書は破かれて

東北地方に住む会社員の正さん(39歳・仮名=以下同)は、7年前、第1子誕生に合わせて育休を取ろうとした。妻が職場でマタハラ(マタニティ・ハラスメント)に遭い、そのストレスで2度流産した末、やっとできた我が子のために育児がしたかった。

会社に育休制度はなかったが、勤続11年、法律で認められた権利だからと申請した。ところが役員が集まった会議室で罵倒され、申請書は破かれてしまう。そして突然の転勤が言い渡された。

「結局休んだのは出産前後の3日間だけでした」

その後もたび重なるパワハラが続き、正さんは会社を辞めた。

男性の育児参加を推進する啓蒙活動をしてきた「NPO法人ファザーリング・ジャパン」の代表理事、安藤哲也さんは、次のように話す。

「父親がどんな状況であれ、育休を取りたい人が取れる社会にしたいと、これまで活動を続けてきた」

安藤さんによれば、今は男性の育休取得の「第3の波」が高まってきているという。第1の波は、「イクメン」が流行語大賞になった2010年。第2の波は、宮崎謙介元国会議員が育休取得宣言をした3年前。これは本人の不倫騒動で逆風に転じてしまったが……。

「厚生労働省の発表では2006年度の男性の育休取得率が0.6%、18年度が6.16%で、約10年間で10倍に。進次郎議員が取得することで、さらに増加するといいなと思います」(安藤さん)

会社員の淳さん(38歳)は3年前、有給休暇と育休を組み合わせ、半年休んだ。会社は育休制度を推進しており、取得率は7%前後。職場で取得に面と向かって反対されることはなかった。

「パート主婦の妻は性格的に、ひとりでの育児で参ってしまうかもしれないという心配もあって。実際に取ってみると、濃密で貴重な時間を過ごせました」

さらに子育て中の職場の同僚や上司の大変さに理解が深まったという。

公務員の和明さん(29歳)は、会社員の妻(29歳)と日ごろはすれ違いが多く、積極的に子育てに関わりたいと8月に娘が生まれてから半年間の育休に入った。企画部の職場は理解があり、「お互い様だから」と仕事の負担にも嫌な顔はされなかった。

それでも違う部署の同僚からは、「100件も案件を抱えているので僕は取れない」、40代以上の先輩からは「俺たちのころにはなかった。休みを取れていいなあ」とやっかみの声も。それでも、「家族でこの半年を楽しみたい」と、和明さんは希望に満ちている。

◆企業や自衛隊も前向きに

日本労働組合連合会の2014年度の調査によれば、育休を希望する男性が断念した理由は「代替要員がいない」「(収入が減り)経済的に負担となる」「上司の理解不足」など、多岐にわたる。また実際に育休を取得した期間は「5日未満」が約7割。都市圏に比べ、地方のほうが取得率は低い。

もちろん頑張る地方企業も。菓子製造・販売業のあわしま堂(愛媛県)では、2013年にいち早く育休取得を義務化した。上司が社員に取得を促すほか、1ヵ月以上育休を取得した社員には保育料補助手当を支給するなど多様な取り組みをしてきたことが認められ、厚労省の「イクメン企業アワード2017」を受賞している。

「育休取得者の総数は、実は中小企業のほうが多いのです。規模がどうであれ、企業のトップが推進する考えを持っていれば、取得者は必ず増えます」(安藤さん)

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最終更新:2019/12/5(木) 16:00
婦人公論.jp

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