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【医師に聞いてみた】禁煙の治療ってどれくらい続ければいいの?

2019/12/5(木) 14:29配信

Medical DOC

国際的な健康意識の高まりを受け、いま、禁煙に取り組む人が増加しているようです。公共施設や屋外での喫煙規制といった、社会的要因も関係しているでしょう。そこで、「善行団地石川医院」の石川先生に、禁煙外来の実態を伺ってみました。治療期間は、具体的な中身は、そして気になる成功率は。喫煙が招く健康被害についても、押さえておきたいところです。

[この記事は、Medical DOC医療アドバイザーにより医療情報の信憑性について確認後に公開しております]

【この記事の監修医師】
石川範和先生(善行団地石川医院 院長)
藤田保健衛生大学(現・藤田医科大学)医学部卒業。日本大学医学部附属板橋病院循環器内科、国立甲府病院(現・独立行政法人国立病院機構甲府病院)内科、厚生連相模原協同病院循環器センター、一般財団法人同友会藤沢湘南台病院内科勤務を経た2012年、神奈川県藤沢市内の「善行団地石川医院」院長へ就任。医療ニーズの多角化へ応えるべく、地域医療に努めている。日本内科学会認定医・総合内科専門医、日本循環器病学会専門医、日本抗加齢学会専門医、日本禁煙学会禁煙専門医。日本スポーツ協会スポーツドクター、日本医師会、日本心臓病学会所属。

保険診療で決められている治療期間は3カ月

編集部:
禁煙の治療は、どれくらいの期間、受けるものなのでしょう?

石川先生:
保険が適用される期間は「3カ月間」と決まっています。その間、5回の継続的な受診をしていただき、カウンセリングや呼気に含まれる一酸化炭素の量を検査していきます。おおまかな日程としては、以下のようなイメージです。
(1)初診
・初診の1週間後に「禁煙設定日」を設ける(受診は不要)
(2)「禁煙設定日」の1週間後に、2回目の受診
(3)2週間後に3回目の受診
(4)1カ月後に4回目の受診
(5)1カ月後に5回目の受診

編集部:
カウンセリングではどのようなことをお話しするのですか?

石川先生:
「5Aアプローチ」という手法が世界標準となっていますので、これについても以下にまとめておきます。治療期間中は、挫折してしまう場面も多いと思いますので、「どういう場面でタバコを吸ってしまったのか」といった内容を伺い、「気を引き締めるタイミング」が自覚できるようにカウンセリングしていきます。
○5Aアプローチ
STEP-1 「Ask/アスク」患者の喫煙習慣を確認し、治療の流れに組み込む
STEP-2 「Advise/アドバイス」タバコを止めるよう忠告する
STEP-3 「Assess/アセス」禁煙への関心度を評価する
STEP-4 「Assist/アシスト」禁煙のための支援やカウンセリングをおこなう
STEP-5 「Arrange/アレンジ」禁煙治療後のフォローアップなどを決める

編集部:
禁煙治療の費用はどれくらいかかるのでしょう?

石川先生:
保険の適用が可能で、3割負担を前提とし、3カ月で14,000円前後となっています。なお、3カ月間で成功しなかった場合、1年間の期間をおくと、再び保険適用の治療が受けられます。

編集部:
成功率はどれくらいですか?

石川先生:
当院の場合、初回の3カ月間で約86%といったところです。ただし、3カ月以降も禁煙を続けられているかどうかは追えていません。なお、厚労省が発表しているデータによると、全体的な成功率は約80%です。ただし国は、3カ月の治療期間を満了せずに“ドロップアウト”した人も「成功」とみなしています。

編集部:
どのような要因が「成功」と「失敗」を分けると思いますか?

石川先生:
禁煙に対するモチベーションでしょう。意識が高い方は、ある程度、初診の段階でわかります。「臭いのせいで孫を抱かせてくれない」「熱中している趣味にタバコ代をあてたい」といった動機の強い方なら、ほぼ成功します。一方、「なんとなく」「周りが吸わなくなったから」といった方は、完遂意識の薄いまま、3カ月を過ごされてしまいます。

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最終更新:2019/12/5(木) 14:29
Medical DOC

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