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『ポルシェ911のご先祖様の話』吉田 匠の スポーツ&クラシックカー研究所 Vol.01

2019/12/5(木) 21:00配信

Park blog

モータージャーナリストの吉田 匠が、古今東西のスポーツカーとクラシックカーについて解説する新連載。第1回は、ポルシェ最初のスポーツカー、ポルシェ356について。

【写真を見る】911の先祖、ポルシェ356はどんなクルマ?

ポルシェ最初のスポーツカー

 皆さん、はじめまして! モータージャーナリストの吉田 匠(よしだ たくみ)です。幼少の頃からクルマ好きで、お盆をステアリングに見立てて回していた当方、1971年に新卒で自動車専門誌『CAR GRAPHIC』の編集記者になって、この業界の人間に。つまり今から2年後には業界入り50年を迎えるわけで、トシがバレるけど、ま、いいか。(笑)

 自動車は軽四輪から大型車まで、種類を問わず好きだけれど、なかでも特にスポーツカーが子どもの頃から大好きで、その傾向は今も変わらず。もちろん現代のスポーツカーも素晴らしいけれど、自分が青春時代を過ごした1950~70年代の旧いクルマ、いわゆるヒストリックカー、もしくはクラシックカーがとりわけ気になる、今日この頃。そこで今回は、今やスポーツカーの定番とされるポルシェの歴史について、ちょっと書いてみたい。

 会社の創始者の名前がブランド名になった自動車メーカーは少なくないが、ポルシェもそのひとつ。最初にポルシェ設計事務所なる会社を設立したのは、20世紀の自動車設計者のなかでも最高の天才の一人といわれる、オーストリア生まれのフェルディナント・ポルシェ博士だった。この人はメルセデスや、アウディの前身たるアウトウニオンの大型車やレーシングカーなどを設計した他、後に世界のベストセラーになる小型車、あのフォルクスワーゲン=VWビートルを、第二次世界大戦勃発直前に設計したことで知られる。

 一方、今日まで続くあの911で有名なスポーツカーのポルシェを生み出したのは、その天才フェルディナント・ポルシェの長男、フェリー・ポルシェだった。フェリーが最初のポルシェを誕生させたのは第二次大戦終結から3年後の1948年のこと、ポルシェ設計事務所の第二次大戦中の疎開先だったオーストリア山間のグミュントという小さな街の外れの木造の小屋で、2台のスポーツカーを造り上げた。ポルシェ356ナンバーワンロードスターと、ポルシェ356/2クーペである。

 後にポルシェ最初のスポーツカーの名前として世界中に知られることになるこの「356」という数字は、ポルシェ設計事務所の作品ナンバー、つまり356番目の作品、という意味。僕はそのグミュントの小屋を二度訪れたけれど、いかにもポルシェの誕生の場に相応しい、心が洗われるような清らかな場所だった。

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最終更新:2019/12/5(木) 21:00
Park blog

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