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県内 先月から保険診療開始 がんゲノム医療とは?/富山

2019/12/5(木) 11:04配信

チューリップテレビ

 がん細胞の遺伝子を調べて患者ごとに最適な治療法の発見を目指す「がんゲノム医療」。
 手術や薬物療法などの標準治療では、病状が改善しなかったがん患者にとってはひとつの希望といわれていますが、現状は。

 富山市の富山大学附属病院。
 9月に厚生労働省からがんゲノム医療の拠点病院に県内で唯一指定されました。
 細胞の核の中にはカラダの設計図とも言われる遺伝子があります。
 その中の遺伝子に加齢や、不規則な生活習慣から異常が起こり、がんが発生すると言われています。
 がんゲノム医療とは、遺伝子の異常や傷を調べ、特定のがんの診断や、追加治療の必要性の検討、効果の高い抗がん剤選びなどに役立てるものです。
 手術や薬物療法などの標準治療で病状が改善されない場合に診察を受けられます。
 「例えば、肺がんとか胃がんとか数の多いガンでは標準治療が確立されているのですが、希少ガンという非常にまれなガンですね。医学的経験が乏しいので、標準治療がありません。そういう人がですね。新しい検査。遺伝子パネル検査を行って。あらたな治療法を見つけるという展望はあります」
 「現在のがん治療とは違ったプロセスを構成できるものと考えています」(がんゲノム医療推進センター・林龍二(はやしりゅうじ)先生)

 富山大学で行われるがんゲノム医療の流れはこうです。
 がんと診断された患者のがん細胞の検体から遺伝子パネル検査と呼ばれる特殊な検査方法で遺伝子情報を解析します。
 その結果をもとに「エキスパートパネル」と呼ばれる専門家チームが分析・議論し、その患者に適した治療を検討します。
 患者のもとに結果が届くのはおよそ1か月後です。
 遺伝子の分析は、これまで京都大学と合同で行っていましたが、9月に厚生労働省から拠点病院に指定され、富山大学単独で実施できるようになりました。
 そして、がんゲノム医療のための遺伝子検査が国内で6月から保険適用になったことを受け、先月から保険診療を開始。
 患者からのニーズも高まっています。

 「まだ間もないですね。11月に保険診療を開始したということになるのですが、この1か月足らずの間に17件の申し込みがあって」(林先生)

 附属病院では去年9月から今年6月までに22件の症例を検査してきましたが、自由診療のため患者負担は数十万円にのぼることもありました。
 しかし保険診療が適用され、患者負担が1割から3割になると、検査に訪れる人は増加。
 1か月もたたないうちにこれまでの実績を上回る勢いです。
 がん治療の可能性が広がる一方、林センター長は課題も指摘します。

 「これを何とかしようと思って新しいものに対応する薬がまだ開発されていないことが多い」(林先生)

 国立がん研究センターによりますと、治療選択に役立つ可能性がある遺伝子変異は、およそ半数の患者で見つかるものの、遺伝子変異があっても、使用できる薬がない場合もあるということです。

 「これはガンの特徴だろう。と言っても。まだそれに対応する薬の開発がまだ途上である」
 「(開発は)進んでいくとは思うが、現状ではまだ足りないということは事実です」(林先生)

 課題も見つかってきたがんゲノム医療。
 しかし、保険診療の開始は、県内のがん患者や医師にとって、大きな一歩であることは間違いないようです。

 「大きな価値がありますし、県内のガン診療をより充実なものにするよう努力していきます」(林先生)

 がんゲノム診療の費用ですが、いち例では保険適用前は56万円かかっていたそうです。
 それが、今回の保険適用によって1割から3割負担になるので、5万6000円から18万円程度で受診できるようなりました。
 結果が出るまでに1か月ほどかかるという時間的な課題もありますが「がん」との闘いは人類の歴史といっても過言ではありませんから、新たな可能性に期待したいですね。

チューリップテレビ

最終更新:2019/12/5(木) 11:04
チューリップテレビ

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