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「我々は生きるために地面を掘る」中村哲医師が遺した“平和の基礎” 石戸諭氏「代表的日本人の姿」

2019/12/5(木) 20:36配信

AbemaTIMES

 医師の中村哲さんが4日、アフガニスタン東部のジャララバード近郊で、車で移動中に何者かに銃撃され死亡した。

【映像】中村さんが携わって緑を取り戻した大地

 NGO「ペシャワール会」の現地代表として、農業用水路の建設など長年アフガニスタンの復興に携わってきた中村さん。突然の訃報にネット上では、中村さんの名前のハッシュタグとともに、現地の人々などから感謝と謝罪を綴る追悼コメントが相次いだ。

 異国の地で、なぜこれほどまで信頼され必要とされたのか。それは、中村さんが語った言葉に表れていた。ある講演で、何十年も活動を続けられる原動力について聞かれた中村さんは次のように答えている。

 「早く作業から引き揚げたいと思ったことは何度もあるが、ここで自分がやめると何十万人が困るという現実は非常に重たい。また、多くの人が私の仕事に対して希望を持って何十億円という寄付をしてくれている。その期待を裏切れない。なによりも現地の人たちに『みなが頑張れば、きちんと故郷で1日3回ご飯が食べられる』という約束を反故にすることになる。日本では首相までが無責任なことをいう時代だが、十数万人の命を預かるという重圧は、とても個人の思いで済まされるものではない。みなが喜ぶと嬉しいもので、それに向けて努力することが原動力だと思う」

 そして、人々がアフガニスタンという国に対して抱く“とても危険な国”というイメージに対して、現地で直接人々と触れ合った中村さんは誰よりもその実情を理解していた。

 「泥棒に入る人だって強盗に入る人だって、別に遊び金が欲しいわけじゃないんですね。家族を食わせるために人のものに手を出したり、米軍の傭兵になったり、あるいはタリバン派の傭兵になったりして、やむを得ずそうするけども、決して誰も望んでいない。とにかく平和に家族がみんな一緒にいて、安心して食べていけること。診療所を100個作るより用水路を1本作ったほうが、どれだけみんなの健康に役立つのかわからないと医者として思う」

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最終更新:2019/12/5(木) 20:36
AbemaTIMES

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