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日銀・黒田総裁「グローバルステーブルコインで“共有地の悲劇”起こり得る」

2019/12/5(木) 16:00配信

CoinDesk Japan

「新たなデジタルマネーの登場に対して、リスクや課題を強調するだけでなく、既存の決済システムに対しても改善を促していく必要があります」

日本銀行の黒田東彦総裁は12月4日、都内で講演し、国際送金の費用の高さや待ち時間の長さなど既存の決済システムに課題があることを認めたうえで、フェイスブックのリブラなどのグローバルステーブルコインは金融版“共有地の悲劇”をもたらしかねず、国際的な金融規制の必要性を指摘。またキャッシュレス決済では、相互運用性の重要であるとの認識を示した。

なぜステーブルコインに国際金融規制が必要なのか

黒田総裁が登壇したのは金融情報システムセンター(FISC:The Center for Financial Industry Information Systems)の35周年記念講演会。FISCは金融情報システムに関連する問題の調査や研究を行っている公益財団法人で、理事長は元国税庁長官の稲垣光隆氏が務めている。

黒田総裁は、国際金融システムの安定性を確保するためのグローバル・ガバナンスの観点からステーブルコインについて整理したうえで、あらためて拙速な発行に対して反対の立場を表明した。

その理由として「国際金融のトリレンマ」を元に説明。国際金融のトリレンマとは、自由な資本移動である“金融統合”と、“金融安定”、“国内金融規制”のうち3つを同時に達成することはできず、1つはあきらめなければいけないというもの。国内では、自由な資本移動、為替相場の安定、金融政策の独立の3つとしても知られる理論だ。

黒田総裁は、グローバルステーブルコインの発行と流通についても、トリレンマがあると指摘。説明では、グローバルステーブルコインは資本移動を効率化させるため、“金融統合”を深化させる。そのうえで“金融の安定”を維持するならば、“国内金融規制”ではなく、「国際的に整合性のとれた規制体系(globally consistent financial policy)が必要不可欠」という。

これは、たとえば一部の国でグローバルステーブルコインの取引が禁止されても、規制のゆるい国で取引が増えた場合、結果的に世界的な金融の安定性を損なう恐れがあるということにほかならない。

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最終更新:1/14(火) 15:23
CoinDesk Japan

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