ここから本文です

車いすバスケ“及川ジャパン”、AOC豪州戦初勝利の歴史的快挙!

2019/12/5(木) 22:59配信

バスケットボールキング

勝因の一つにあったバイプレーヤー緋田の台頭

 そして、もう一つ。この試合で台頭した緋田高大の存在だ。これまで厳しい試合では40分間ベンチを温め続けることも少なくなかった緋田だが、この日は2クォーターの前半にコートに送り出されると、さらに第4クォーターという最も大事な局面でのメンバーの一人に抜擢された。

 緋田の起用について、及川HCはこう語る。

「まずはディフェンスがすごくいいこと。それとハイポインターをうまく活かすプレーが一番うまいのが緋田。あれだけ激しくやり合う中で、藤本がインサイドをつけたというのは、緋田の見事なトランジションのおかげです」

 一方、藤本自身も緋田の存在の大きさについてこう語っている。
「ボールを持っての派手なプレーはないのですが、人を活かすプレーが本当に上手い選手。重要な局面でしっかりと丁寧なピックをかけてくれて、僕たちハイポインターをインサイドに導くプレーはピカイチです」

 緋田は、今では日本代表の主力となっている古澤拓也や川原凜など、2017年U23世界選手権で4強入りしたメンバーの一人で、彼らと同じ時期にA代表入りしている。しかし、U23の時も、A代表に入ってからも、12人のメンバーには入るものの、なかなか出場機会に恵まれなかった。そして、今夏に行われた国際強化試合「三菱電機 WORLD CHALLENGE CUP」(MWCC)では、メンバーからに外れている。

 この時、緋田は悔しさを練習でぶつけるようにして、チェアスキルなどを磨き続けた。そして強化合宿では、たとえ主力メンバーの練習から外れても、常に藤本や秋田の動きを観察し、彼らがどんな動きをして、どんなプレーを得意としているのかを細かくチェックしていたという。そんな積み重ねてきた陰の努力が、オーストラリア戦で実ったのだ。

「来年の東京パラリンピックに向けてアピールするためにも、今大会は中途半端では終われない。自分の力をすべて出し切り、チームの優勝に貢献をして、次につなげようという思いで臨んでいます」と語る緋田に対し、及川HCも「このレベルの試合で、これだけの活躍をしてくれたというのは、本当に成長したなと感じた」と高く評価した。

 緋田の台頭によって、本当の意味で“全員バスケ”を遂行し始めた及川ジャパン。さらに厳しい戦いが待ち受けている決勝トーナメントも、アジアオセアニア随一の選手層の厚さで勝ち進む。

文・写真=斎藤寿子

BASKETBALL KING

2/2ページ

最終更新:2019/12/5(木) 23:08
バスケットボールキング

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo! JAPAN 特設ページ