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一休み「ふとん地蔵」 野々市、お堂建て替えで

2019/12/5(木) 2:00配信

北國新聞社

 野々市市稲荷2丁目の自営業平野政昭さん(68)が、自宅隣接地にある地蔵堂の建て替えに伴い、地蔵菩薩(ぼさつ)を自宅に移して手厚く祭っている。江戸時代から立ち姿で地域の安寧を見守ってきた地蔵をねぎらい、工事が終わる来年1月末まで布団に寝かせて保管する。住民も供え物を手向け、「しばらく暖かい場所でのんびりして」と思いを寄せた。

 地蔵は高さ約60センチで、稲荷を含む郷地区の郷土史「郷の今昔」によると、江戸時代には現在の平野さん宅近くの北国街道の道端に置かれていたが、明治の末頃になると稲荷と三日市の共同火葬場の入り口脇に移設された。

 昭和30年代に火葬場が取り壊される際、稲荷集落の中心部に自宅があった平野さんの父栄政さんが引き取り、自宅に隣接する倉庫の敷地内に、高さ約1メートル、幅約80センチ、奥行き約60センチのお堂を建てて安置した。願い事をかなえてくれる地蔵と言い伝えられ、朝夕には拝む住民の姿が見られ、絶えず花が供えられていたという。

 大正期に建てられ老朽化が進んでいた倉庫を耐震化するのに伴い、地蔵堂も一新し、コンクリート造りだったのを木造に建て替える。11月20日には住民15人が参加して地蔵堂のおはらいを行った後、今月3日に取り壊した。

 完成まで地蔵を自宅で預かることにした平野さんは「粗末に扱えない」として、地蔵に付いていたほこりをお湯とタオルで磨いてきれいにした。孫に使っていた赤ん坊用の布団を持ち出し、赤い頭巾と前掛けを外して毛布を掛けて寝かせている。住民からは菓子が供えられた。

 平野さんは「お地蔵さんを家で預かるなんて初めての経験だが、家族が増えたみたい。住民の厚い信仰心に応えるためにも無事に元通りにしたい」と話した。

北國新聞社

最終更新:2019/12/5(木) 2:00
北國新聞社

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