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「Echo Studio」レビュー - 迫力の立体音響も聴けるスマートスピーカー

2019/12/6(金) 13:01配信

マイナビニュース

Amazonは12月5日、音声アシスタントAlexaを搭載し、音にこだわった新たなスマートスピーカー「Echo Studio」の出荷を開始しました。高音質ストリーミングサービス「Amazon Music HD」と組み合わせて、臨場感あふれる立体音響コンテンツ(「3D音楽」)などがイイ音で楽しめる、Echoシリーズの最上位モデルです。

【写真】2台のEcho StudioとFire TV端末を連携させ、Dolby Atmos対応の映画を迫力ある音で楽しめる

価格は税込24,980円とEchoシリーズの中では最も高価ですが、それにもかかわらず執筆時点(12月5日)では既に売り切れており、次回入荷は12月28日になるとのこと。

今回はEcho Studioの特徴や音のインプレッションを、実機の写真を交えつつ紹介。ついでに、Amazonの音楽に対する取り組みも説明したいと思います。

ドッシリ重い「Echo Studio」、腰の据わったサウンド

Echo Studioは、ここ最近のEchoシリーズと同様のファブリック調デザインを採用し、ほぼグレー1色でシンプルなたたずまいにまとめています。本体内部には、上面と左右に2インチのミッドレンジユニットを各1基、前方に1インチのツイーターを1基、下向きに5.25インチウーファー1基を備えています。見た目は柔らかく落ち着いた印象ですが、この5基のユニットと最大出力330Wのアンプで迫力ある高音質再生を実現します。


円筒形の本体サイズは175×206mm(直径×高さ)、重さは3.5kg。大人の男性が両手で持っても「うわ、重いな」と思わずつぶやいてしまうようなサイズ感です。とはいえ、オーディオ的には重くドッシリしているほうが、音の良さに期待できるというもの。

ちなみに本体下部のスリットは低音再生のための開口部で、のぞくと向こう側が見えます。ホコリが入りやすそうなので、置き場所には注意が必要かもしれません。

上面には操作ボタン(マイクオン/オフ、音量調整ボタン、アクションボタン)と、Echoシリーズでおなじみの多色発光するライトリングがあり、内蔵マイク用と思われる穴もあります。

セットアップは既存のEchoシリーズと同様に、iOS/Android用のAlexaアプリから行います。右下の「デバイス」アイコンを選び、次の画面で右上の「+」アイコンをタップ。後は画面の指示に従ってWi-Fiに接続し、セットアップを進めます。

初回設定時はEcho Studioから音が流れ、設置した場所(空間)の広さや奥行き、空間の音響特性を分析し、最適なサウンドで鳴らすように自動でスピーカーの音が調整されます。

今回試した限りでは、Echo Studioの音声認識は比較的素早く、そんなに声を張らずに離れたところから「Alexa、音楽を再生して」と声を掛けてもすぐに反応してくれました。


Wi-Fi機能はデュアルバンド、IEEE 802.11a/b/g/n/ac(2.4/5GHz)に対応しています。利用できる音楽ストリーミングサービスは、Amazon Music(Unlimited、HDを含む)のほか、SpotifyやApple Music、TuneIn、dヒッツなど。いずれも会員登録や定額課金が必要になりますが、Alexaアプリであらかじめ設定しておくと、Spotifyなどの楽曲もストリーミング再生したり、Echo Studioに話しかけるだけで再生コントロールができます。Bluetooth機能を搭載しており、Echo StudioをBluetoothスピーカーとしても使えます。

圧縮音源やCD音質、ハイレゾ相当の楽曲に加え、Amazon Music HDの配信作品に含まれる、立体音響「Dolby Atmos」やソニー「360 Reality Audio」の楽曲も再生できます。内蔵DACは24bit対応で、帯域幅は100kHz。

Echo Studioの発売に合わせて12月5日に配信開始された、Dolby Atmosや360 Reality Audioの楽曲を聴きました。エルトン・ジョン「ロケット・マン」など、いくつかのサンプル楽曲を聴いてみたところ、大きな空間に音が広がっていくような立体感や奥行き感が印象的で、それでいて重低音もしっかりしています。腰の据わった安定感あるサウンドがEcho Studioの持ち味といえそうです。

3D音楽ではない楽曲ももちろん聴けます。Echo StudioならJ-POPやロック、アニソンなどはメリハリのある音で気持ちよく聴けるでしょう。個人的にはクラシックなどの中高音の解像感や再現力はもう少し欲しい……と感じましたが、この立体的な音の響きが2万円台で手に入るなら十分に魅力的だと思います。

Dolby Atmosや360 Reality Audioコーデックでマスタリングされた楽曲は、世界の有名アーティストによる800曲以上をラインナップし、今後も楽曲数を増やしていくそうです。なお、Dolby Atmosや360 Reality Audioの楽曲は、Amazon Music HDでは「3D音楽」と名付けられており、たとえばEcho Studioに「アレクサ、3D音楽をかけて」と声を掛けると、それらの楽曲をまとめた「Best of 3D」プレイリストが再生されます。また、「3DでHIP HOPをかけて」というように楽曲ジャンルを指定して再生させることもできます。

Echo Studioは円筒形デザインではありますが、前後の区別がちゃんとあり、背面には付属の電源ケーブル用の端子と、3.5mmアナログ/光デジタル音声入力の兼用端子を備えています。

既存のEchoシリーズ同様に、Echo Studioを2台連携させるとペアで再生できます。さらに、Fire TV Stick 4Kなどのテレビ用AmazonデバイスとEcho StudioをWi-Fiでワイヤレス連携して、Amazon Prime VideoやNetflixでDolby Atmos対応の映画などを臨場感ある音で楽しむ仕組みも備えています。つまり、Echo StudioをFire TV端末用のサラウンドスピーカーとしても使えるわけです。


Echo Studioと連携できるFire TV端末は、Fire TV Cube(第2世代)、Fire TV Stick 4K、Fire TV(第3世代、販売終了モデル)の3機種。これについては機会を改めて試してみたいと思います。

Amazonが高音質音楽を「Ultra HD」と呼ぶ理由

現在、Amazonが展開する音楽ストリーミングサービスは、Amazonプライム会員であれば追加料金なし(プライム会員特典の一部)で200万曲が聴き放題の「Prime Music」と、6,500万曲が定額料金で聴き放題の「Amazon Music Unlimited」(プライム会員の個人プランは月額780円)、そしてAmazon Music Unlimitedで聴ける楽曲をより高音質に楽しめる「Amazon Music HD」(プライム会員は月額1,780円)があります。

Echo Studioの発売前(12月4日)、アマゾンジャパン Alexa エクスペリエンス&デバイス事業部 リージョナルディレクター Alexa アジア パシフィックの大木聡氏は、Echoシリーズを購入した人の87%が音楽を聴くために利用していることや、音楽再生時間が平均で週5時間以上に及んでいる(Alexa Cast機能による再生を除く)ことを紹介していました。「Echoシリーズで聴く音楽が、ユーザーの暮らしを豊かにしている」というのです。

Alexaに話しかけるだけで音楽をかんたんに聴けることと、多くの新しい楽曲に出会える仕組み(キュレーション、レコメンド、ディスカバリー)が整ってきたことで、大木氏は「音楽によるライフスタイルの変化は新しいステージに移った」と話していました。

また、Amazon Music事業部門 副社長のスティーヴ・ブーム氏によれば、日本でのAmazonの音楽に対する取り組みは「20年の歴史を持つ」といいます。2000年のCD/レコード販売にはじまり、デジタル音源のダウンロードストアや、ストリーミング配信サービスへと事業を拡大してきました。


日本の音楽市場の特徴についてスティーヴ・ブーム氏は、CDなどの物理メディアが現在も強いことについて「音質へのこだわりが強いことのあらわれ」と指摘。こうした特徴を踏まえて、日本向けのAmazon Musicコンテンツは高音質であることを重視しているといいます。


なおAmazon Music HDでは、CD音質を超える高音質音源を示す表現として、映像配信の画質表示などで使用されている「HD(High Definition)」や「Ultra HD」という言葉を使っています。JEITA(電子情報技術産業協会)や日本オーディオ協会(JAS)が使う「ハイレゾ(High Resolution)」を使わない理由について、スティーヴ・ブーム氏は「ハイレゾやハイファイという言葉を知らない人はいるが、HDという単語を知っている人は多い。そしてUltra HDは『HDより良いもの』だと分かりやすい」という、Amazonの調査結果を踏まえて決めたと説明します。

音楽マーケットにおいて日本は世界第2位の規模であること、ストリーミングサービスの利用率増加で「黎明期から成長期に入った」こと、5Gなどモバイル通信の高速化や、楽曲を保存するストレージの低価格化が進むことなどを見据え、今後はハイクオリティなコンテンツがより求められるようになる、との期待感を示していました。

庄司亮一

最終更新:2019/12/6(金) 13:01
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